第十一話。散花
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る。あの技の攻略をするなら相手の銃口の向きを察して、全く同じタイミングで相手の銃口に銃弾を返してやればいい。
だが、キンゾーの『不可視の線糸』は糸の出処が全く見えない。
見えないから、返しようがない。
糸が出てから視認するしかないんだ!
『不可視の銃弾』は視認できないくらい速いが、ヒステリアモードの俺なら銃口の角度から大体の狙いは解る。だから銃弾を銃弾で撃ち返せる。
だが、『不可視の線糸』は糸という特性上、近寄れば視認はできるが何処に張られるかは解らない。
だから一歩動けば……ただそれだけの動作をしたが為に糸で首を切断されるかもしれない。
実にやっかいな技だ。
身動きが取れない状態にして、相手を倒す。
それは『振り返った相手を確実に抹殺する』、そういった逸話を持つ一之江と俺が相手に散々やってきた戦法と似たようなものだ。
それを今度は自分達がやられている。
動けない! 動いたら切断されかねない。
「フッ、これで貴様の動きは封じた! ラインとサード。コイツらなら絶対に躱せない音速での攻撃が可能だ。音速を超える者。2人がかりでなら貴様も防げない……はずだからな。『101番目の百物語』。そして、『』ここに敗れたり!」
氷澄が得意げに宣言したが、事実なので何も言えない。
先ほどラインの『音速境界』を受け止めたが、あれはラインと一対一の状況だったからできたんだ。2人がかりで音速を超える技を使ってくる奴を受け止める技はない。
「行くぞ、ライン。サード。『厄災の眼』!」
氷澄の青い両眼が光り。
「うぬ、今がチャンスじゃな! 行くぞよ、『音速境界』!」
動きを止められた俺の背後からラインの声が聞こえ。
「じゃあな、兄貴……『流星』!」
「______この桜吹雪______散らせるものならッ!」
俺の真正面からキンゾーが突っ込んできた。
前と後ろからの挟み撃ち!
人間では避けらない。
誰も躱せない。音を超える攻撃。
その音速での挟み撃ち。
それが俺に向けられた。
「散らしてみやがれッ!」
______パァァァァァァァァァァァン??
ズガガガガガガガガガ??
(橘花______絶牢______桜……ぐはっ??)
ヒステリアモードの超スローで見える視界で、近寄る奴らを見ていた俺は……左右から来た衝撃を受けその打撃エネルギーを受け止めようともがき。
『橘花』を放つことにより、ラインの攻撃を逸らすことには成功し、絶牢でキンゾーが放つ|『流星《メテオ
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