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101番目の舶ィ語
第十話。対決の刻
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す技はない。
どうする?
どうしたらいい。
クソ、考えろ金次!
お前は『不可能を可能にする男』だろ!
そうか!
ないなら……作ればいいんだ!

「______『絶牢』ッ!」

気づけば俺はジーサードが放った『絶牢』を『絶牢』で受け止め、返していた。

______パアァァァァァァァァァァァンッ!

絶牢を絶牢で返す二重カウンター。
名付けて『絶花(ぜつか)』。
桜花で始まり、橘花で終わる、花を使い果たして敵を絶やす______俺の新技だ!
俺の蹴りがジーサードが放った蹴りとぶつかり合い……。

「______うがァァァァァァッ!」

ジーサードの呻き声と共に、衝撃が上半身まで及んだのか、奴が着ていた特攻服の下にあるプロテクターが、破片となって飛び散った。それと同時にドサリと地面に倒れるジーサード。

(勝った……のか?)

桜花と絶牢を何度も放ったせいで、乱れた息を整えてながら安堵したその時______

「まさか、ラインだけではなくジーサードがやられるとはな。
だが、これで戦いが終わったと思ってないだろうな? 一文字疾風」

氷澄がその双眸を青く光らせながら笑う。

「通常のロアとの戦いならば、確かにこれで決着してもおかしくない。だが______『主人公』と戦っているということを、お前はまだ知らないようだな」

「……何?」

「俺が思い描く『主人公』像は、窮地こそ自身の転機に変える」

ドクン。
その『主人公』の在り方に、俺は寒気みたいなものを感じた。

「ライン」

氷澄は倒されたラインの名を呼ぶ。

「お前は______『いなくなったと思ったら目の前にいる』ロアだろう??」

「っ??」

俺はラインが倒れている方へ視線を向ける。
が、そこには誰もいない。

「なにっ??」

倒したはずのラインがいない??
と、その時。
一瞬、何かの気配を感じて、慌てて横を見た。
今、一瞬だが、誰かの姿が見えた……??
いや、そんなはずは……。
『橘花』と『絶牢』、『桜花』のコンボ技を喰らって無事でいられるはずが……。
視線を氷澄に向けると______。

「ばぁ」

「うおぉぉぉっ??」

目の前にラインが立っていた。
そんな馬鹿な……??
俺は目の前のラインを見つめた。
やがてその姿がぼんやりと消えていき……。

「ふむ、氷澄。『ばぁ』はどうかと思うんじゃが」

その姿は氷澄の真横に現れていた。

「っ?? 今、何をしやがった?」

「お前は俺の青い光を受け過ぎていたのさ」

氷澄は口元に歪んだ笑みを浮かべて、俺に語りかける。

「故に、暗示にかかりやすくなっていた。いるはずのないものを、見るく
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