第十話。対決の刻
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す技はない。
どうする?
どうしたらいい。
クソ、考えろ金次!
お前は『不可能を可能にする男』だろ!
そうか!
ないなら……作ればいいんだ!
「______『絶牢』ッ!」
気づけば俺はジーサードが放った『絶牢』を『絶牢』で受け止め、返していた。
______パアァァァァァァァァァァァンッ!
絶牢を絶牢で返す二重カウンター。
名付けて『絶花』。
桜花で始まり、橘花で終わる、花を使い果たして敵を絶やす______俺の新技だ!
俺の蹴りがジーサードが放った蹴りとぶつかり合い……。
「______うがァァァァァァッ!」
ジーサードの呻き声と共に、衝撃が上半身まで及んだのか、奴が着ていた特攻服の下にあるプロテクターが、破片となって飛び散った。それと同時にドサリと地面に倒れるジーサード。
(勝った……のか?)
桜花と絶牢を何度も放ったせいで、乱れた息を整えてながら安堵したその時______
「まさか、ラインだけではなくジーサードがやられるとはな。
だが、これで戦いが終わったと思ってないだろうな? 一文字疾風」
氷澄がその双眸を青く光らせながら笑う。
「通常のロアとの戦いならば、確かにこれで決着してもおかしくない。だが______『主人公』と戦っているということを、お前はまだ知らないようだな」
「……何?」
「俺が思い描く『主人公』像は、窮地こそ自身の転機に変える」
ドクン。
その『主人公』の在り方に、俺は寒気みたいなものを感じた。
「ライン」
氷澄は倒されたラインの名を呼ぶ。
「お前は______『いなくなったと思ったら目の前にいる』ロアだろう??」
「っ??」
俺はラインが倒れている方へ視線を向ける。
が、そこには誰もいない。
「なにっ??」
倒したはずのラインがいない??
と、その時。
一瞬、何かの気配を感じて、慌てて横を見た。
今、一瞬だが、誰かの姿が見えた……??
いや、そんなはずは……。
『橘花』と『絶牢』、『桜花』のコンボ技を喰らって無事でいられるはずが……。
視線を氷澄に向けると______。
「ばぁ」
「うおぉぉぉっ??」
目の前にラインが立っていた。
そんな馬鹿な……??
俺は目の前のラインを見つめた。
やがてその姿がぼんやりと消えていき……。
「ふむ、氷澄。『ばぁ』はどうかと思うんじゃが」
その姿は氷澄の真横に現れていた。
「っ?? 今、何をしやがった?」
「お前は俺の青い光を受け過ぎていたのさ」
氷澄は口元に歪んだ笑みを浮かべて、俺に語りかける。
「故に、暗示にかかりやすくなっていた。いるはずのないものを、見るく
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