第十話。対決の刻
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「だから悪いな……俺の目的の為にもここで散ってくれよ、兄貴!」
「散らせるものなら……散らせてみやがれっ!」
ラインや氷澄の動きにも注意しつつ。
『桜花』の構えを取る。
ジーサードの方に視線を向けると。
(……やっぱり、ソレを使う気か)
ジーサードの構えを見て思わず笑ってしまった。
お互い考える事は同じなんだよな。
俺達には銃も刃物も効かない。
俺達は銃弾を斬り、逸らし、跳ね返し、受け止める。
刃物は素手で掴んで止められる。
そんな人間離れたした技を使える奴と戦わなければならない。
ならどうするか?
そんなの決まってるだろ?
「同じこと考えてるな……」
「ハッ、今更何言ってんだ?
『______剣は銃より強し。拳は剣より強し…… 』だ! そして、俺達には音速の拳がある!」
なら解るだろ?
キンゾーのそんな言葉が聞こえた気がした。
「いくぞ、『厄災の眼』??」
「『音速境界』??」
「いくぜ! 『流星』??」
俺を挟むように、右側からライン。
左側からはジーサードがバイクに乗ったまま迫ってきた。
アクセルを吹かしながら『轢いてやる』とか言ってたが……お前本当は武藤じゃないよな?
内心の心配を他所に、ほとんど同時にライン達は突っ込んできたが、完全に同じタイミングではない。
わずかに間がある。
それなら!
俺はヒステリアモードが見せる超超スロー空間の中で自身の筋骨を順番に連動させていく。
(橘花______絶牢______桜花ッ!)
それは以前、相模湾上空での戦いで放ったカウンター技。
それを俺は代わるばんこ順番に放とうとしたが……。
(______ありえん)
思わずそんな言葉を心の中で呟いてしまう。
迫り来るライン達は変わらずに突っ込んできた。
「ぐはっ……」
だからラインには橘花で受け止めた力を、絶牢で返して、桜花気味の蹴りを体に叩き込んで吹き飛ばした。
しかし、ジーサードは俺が使う技が何かが解ったのか、『流星』をキャンセルして咄嗟にバイクから降りて『流星』とは別の構えをとっていた。
突っ込んできたバイクは『桜花』気味に蹴りを入れて吹き飛ばしたが、キズ付いても弁償とかはしないぞ。
まぁ、今はバイク事は後で考えよう。
それよりもだ。ジーサードが行なっている構え。
あれは……。
(……絶牢)
『見せたら殺せ』。
そう先祖代々受け継がれてきた秘中の奥義。
全身を回転扉のように使い、相手の力を返すカウンター技。
それを使う気だ。俺がジーサードに攻撃をした瞬間に。
(マズイ。やられた……ッ!)
絶牢を返
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