暁 〜小説投稿サイト〜
101番目の舶ィ語
第八話。『星座の女神』
[6/8]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
るものなのか潔癖症だからなのかは解らないが、もしバレてもちょっと怒るくらいで許してくれるはずだ。
だが、これからはどうだろう?
命懸けで俺が何かをしようとしていると知ったら、その内容を知ったら、理亜はどう思うだろうか?
クールだけど、優しい彼女のことだ。心配して心を痛めるかもしれない。
もし、俺が今までのモンジ______一文字疾風______ではないと知ってしまったら。
どうするだろうか?

______自分から望んで一文字に憑依したわけじゃない。
______自分で選んで『主人公』になったわけではない。

だが、だからといって、逃げ出したくない。今の俺でも頑張れば、誰かを救えたりできるのだから。
それは今までの。
『ただの一文字疾風』では無理だったことが出来るという意味だ。

「全てをありのままに話すことは出来ないが」

でも、心配をかけないように振る舞うことは出来るはず。少なくとも、理亜やアラン達には、こんな殺伐としたホラーでオカルトな世界は一生知らないままでいてほしい。
……そうだ。知らなくていいんだ。こんな世界は。

「出来ないんだ」

と、その時だった。
気づけば目の前に見知った人物が立っていた。
白い帽子に、白いワンピース。
それらを身に付けたヤシロちゃんは今日も突然現れた。
手に持つ白い大きな傘は色合いはバッチリだが、大きさはミスマッチだな。

「やあ、こんばんは、ヤシロちゃん」

「うん、こんばんは、お兄さん」

俺が軽く会釈すると、ヤシロちゃんは帽子の下に笑みを浮かべながら返してくれた。
目の前に突然現れたヤシロちゃん。
突然現れた彼女は、安心と不安を同時に与えるような、そんな存在だ。
俺がこんな殺伐としたホラーなオカルト世界に首を突っ込むキッカケになったのも、思えばヤシロちゃんにDフォンを手渡たされてからだ。

「それで、何が話すことが出来ないの、お兄さん?」

「ん、ああ……ほら。自分の家族とか友人とかには話せないよな、と思って」

「そうなの?」

「そうなんだよ。知ったら巻き込んでしまうだろ?」

音央の時も似たような事を思ったが、結局彼女はこっち側に来てしまったからな。

「ふぅん……そういうものなんだね」

「ああ、そういうものなんだよ。っていうか、ヤシロちゃんはこんな時間に、こんなところでどうしたんだ?」

「うん? もちろん、お兄さんに会いに来たんだよ?」

「……子供がこんな時間に出歩くなんて危ねえぞ。送ってやるからさっさと家に帰れ」

「ふふ、はーい。気をつけまーす」

「うん、素直でよろしい」

その素直さを1/10でいいから、一之江やアリアに分けてやってくれ。
もっともヤシロちゃんもロアだから、本
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ