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101番目の舶ィ語
第八話。『星座の女神』
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……。

『女の先輩の家で、他は女子+αです』

なんて返信したら『不潔です!』と怒られるのは目に見えている。
だがありのままを話す訳にはいかない。

「どうしたもんか……寝てたことにする……か?」

いや、駄目だ。それは問題の先送りだ。

「音央辺りに口裏を合わせて貰うか……」

携帯の前で悩むこと数分。
______答えが出なかった俺は、一度部屋を出ることにした。
外の空気を吸って、リフレッシュする為だ。
幸い一之江が借りていた鍵がテーブルの上にあったし、これで戸締まりをすれば問題ないだろう。

「まさかこういう悩みを抱くとはなあ……」

最近、悩み尽きないな、などと思いながら。
俺は詩穂先輩の家を後にした。






2010年6月19日。午前2時45分 夜霞市内某所




雨がしとしとと降る夜中の街を。
コンビニで購入した傘を差しながら、俺は電話をかけていた。
相手はアランだ。

『イヤだよ、そんなの』

「そこをなんとかしてくれ親友のアラン」

『こういう時だけ親友って呼ぶなモンジ』

「モンジって呼ぶな」

『ほほう? いいのかなぁ? 僕が協力しないと、理亜ちゃんが怖いんじゃないかなぁ?
くっくっくっー』

くそっ! アランのくせに足元みやがって??

「……受けてくれるならキリカや一之江とのウハウハデートのセッティングをしてやってもいいぞ」

『何?? 美少女達とのウハウハデートだと??』

「『毒舌美少女と小悪魔っ子なクラスメイトとのラブラブデート』です」

『く、クラスメイト、ら、ラブラブデート……!』

「ご協力頂けませんか、アラン様」

『いいだろう! 僕は今日、モンジと過ごしていた』

ふっ、チョロイな。

「ありがとうアラン……それとモンジって言うな」

『わはは。どこにいるのか知らないが、ちゃんとデートさせろよ!』

「おう、恩にきるぜ」

アランとの電話を切って、ひとまず安堵する。
結局嘘を付くことに変わりないのだが、アランとも電話口とはいえ過ごしたのは事実だ。
まぁ、そのせいで別の問題も出来たが……。

(……デートのセッティング、どうしよう)

ノリと勢いでデートさせる、と言っちまったがキリカはともかく、一之江を説得するとか……無理ゲーじゃねえか?
マズイ。背後を刺される未来しか見えない。
……どうしよう。
ま、それはおいおい考えるとして。
それよりも……

「女の先輩の相談に、友達と乗っていました。アランもだよ……っと」

そんな返信を理亜にしつつも、胸が痛むが仕方ない。
……今回は些細な問題だ。
理亜だって、まあ、怒る原因が嫉妬から来
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