第八話。『星座の女神』
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考を持っているはずだ。
悩んだり苦しんだり楽しんだりを自発的にする人々なのだろう。
人間らしいということはそんな彼らが俺を狙うということはつまり、自らの意思で俺と俺の物語を取り込み、奪うということなのだ。
『人間』に狙われる。
そんな根本的な恐怖が俺を焦らせる。
俺が物語を、みんなを守るためには『百物語』を完成させなければならない。
それには他の『主人公』を倒して取り込んだ方がいい。
それをした方がいいという提案を一之江がいずれしてくれようとしていた、ということも焦りの原因になっている。
そして、『主人公』が『他の主人公』を倒して物語に取り込めるのなら俺も……
「俺も、同じように他の『主人公』やロア達に恐れられているってわけか……」
自分が知らない誰かから、そんな理由で恐れられているというのは精神的にあまりいい気はしない。
自分的には人畜無害だと思っているから尚更だ。
「どうしたものかなあ……」
……いや、対策はわかりきっている。
例の『終わらない千夜一夜』という人物から逃げ続けた方がいいのだろう。
関わらない、それが生き残るのに一番賢い選択だ。
もしその人物の機嫌を損ねたりして、俺のことを取り込もうとか思われたら厄介だしな。
出来れば一生絶対に出会いたくない。
だが、今までの経験上。
俺が絶対、絶対とか言う度に関わることになってるので……
(遭遇は避けられないだろうなぁ……)
同じ街に住んでいる以上、いつか鉢合わせするのは避けられないだろうし。
その時、戦闘になったら。
俺は今のままで守りきれるだろうか?
俺が切れるカードはかなり強力なものばかりだが……一之江は相手の赤マントこと、スナオちゃんと引き分けだったし。
向こうにスナオちゃん以上の強力なロアが物語として取り込まれていたら……。
今の俺が使えるカードで、キリカがダウンしている状況で。仮に戦いになったとしたら……。
戦いに向かない鳴央ちゃんを除くと俺の戦力は実質一之江と音央の2人になる。
そこに俺を加えても三人しかいない。
相手の戦力が未知数なのにこっちの手札はすでに1人見破れている。
それも最大戦力の一之江が相手に知られてしまっている。
音央や鳴央ちゃんの能力は確かに強力だが、どちらかといえば戦闘向きな能力でなない。
そして。
「俺、か______」
実際、普段の俺では出来ることなんてたかが知れている。
Dフォンで一之江を召喚したり、ちょっとした近接格闘くらいならできる。
だが、それはあくまでも対人、それもアマチュアレベルの話だ。
一之江に扱かれて、ここ数ヶ月で対ロア戦を想定した訓練も受けてはいたが……どこまで通用するのかは解らない。
普段の俺は強い力を持って
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