第3章 リーザス陥落
第55話 レッドの町の鬼門
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かったのだ。……そんなハウレーンの姿を見て、バレスはそっと微笑んだ。
「ハウレーンよ。……あの男を追いかけるのは茨の道ぞ? その覚悟はあるのか?」
「っっ!? なな、何を!! 父上っ!!」
「今は将軍じゃ。父上は寄せ、と言いたいが私情を挟んだのは儂じゃな。……私情を挟むつもりは無かったんじゃが、今の主を見たら、つい、な」
娘の幸せが親にとって何よりの事。
それは軍人であろうと何であろうと同じことだろう。でも、その先に待っている物の大きさを考えたら……親であり人生の大先輩である自分は言わずにはいられなかった様だ。バレスは一瞬だが、軍人の顔ではなく、娘を思う親の顔になっていた。
「……さて、談笑は終わりじゃ。皆の者! 辺りを警戒、四方八方全てを監視する。アリ一匹逃がすでないぞ!!」
『応ッ!!!』
バレスの一声により、声を上げ一気に散開していった。
「(……ユーリ……殿。い、いや! 私は……っ 別に……っ。それに私はもう、汚されてしまった身で……っ……)」
ハウレーンは自分の心が判らないようだった。
ただ、思うのは 自分はヘルマン軍に……汚らしい男達に汚されてしまった事実。思い出したくもない狂気の光景。……それは軍人として、汚点であり……、そして少なからず心にあった女としての自分も殺された。ありきたりな幸せを、もう、嫁にはいけない身体になってしまったとあの時思ったのだ。……だから、生涯軍人、心に残っていた女を捨てて、粉骨砕身の覚悟で忠を尽くす事を胸に刻んだのだ。洗脳されるまで、そして洗脳から解放されてからずっと。
「(……ダメだ。ユーリ殿は云わば光。我々リーザスを、そして自由都市を包み込む光。だから、……私には…ふさわしくない。……だから、全うするのみだ。軍人として、愛国心を……)」
ハウレーンはそう心に刻みながら、レッドの町を見つめた。必ず、彼は。彼らはやってくれると信じて。
〜人物紹介〜
□ アリオス・テオマン
Lv15/99
技能 剣戦闘Lv2
この世界の主人公たる資質をもつ男の1人であり、伝説の勇者。
現在は修業中の身であるが強さは本物である。
正義感が非常に強く、困った人を放っておけない性格もあり、レッドの町に滞在中に起こった今回の解放戦(抵抗軍)に参戦した。
技能以外にも、勇者としての特性を多数もつが、今は伏せておく。
□ 神無城 清十郎(3)
Lv32/89
技能 剣戦闘Lv2 異能術Lv-
以前ユーリと戦った事がある異世界の剣士。
ユーリとの戦闘の後、この世界の深さを知り見聞を広めると同時に修業もかねて旅をして
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