第3章 リーザス陥落
第55話 レッドの町の鬼門
[11/14]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ランスが選ぶんだろ?」
「がはは、当然だ! まず……」
ランスが見渡した途端に顔を背ける面々がいる。圧倒的にユーリ派の女たちは、拒否姿勢を崩さない様だ。苦笑いをしているのは、ミリ、マリア、シィルだけだった。
「……おい、まずユーリ。お前は一緒に来い」
「ああ。判った」
流石のランスもそれくらいは判った様で、やや不満だったが、ユーリをまずは選択する。元々は選ぶつもりだった様だ。
「珍しいね。男のユーリを連れてくなんてさぁ?」
「ふん、こいつはガキだが、何よりも戦闘馬鹿でもあるからな。オレ様の手足の如く使えるのだ。それに、目を離したら町の女たちを襲いかねん!」
「ランスと一緒にしないで!!! 馬鹿!!」
「……こんな大変な時にそんな事、する訳無いでしょ」
いつもの通り。恒例になりつつあるだろう、真っ先に反応して、反論するかなみ、そして呆れ気味で言葉を返す志津香。ユーリはと言うと、2人を見て……。
「……オレの代わりに言ってくれるのは、嬉しいが、足踏むは止めてくれ。せめて連続で踏むな。……痺れる」
そう言っていた。
実は志津香はすぐ傍にいて、ゲシゲシと足を踏みしだいていたのだ。ランスが言ったことを絶対しないように!!と釘刺すように。踏まれながらも、もう痛いと言う言葉は言わずに、苦言を呈するユーリ。
――ユーリの防御力(足部位)が10増した。(でも痛い事には変わりない様子だ)
「前衛にラン、ミリ、トマト、かなみ。後衛に志津香、マリア・チューリップ3号、シィルだ。遅れるな! オレ様について来い! がはは!!」
パーティメンバーを選定した後、のっしのっしと大股で先へと進んでいくランス。シィルもランスについていき、ミリも首をぐるりと回しつつ、ついて行く。
「……バレス将軍、それに軍の皆、町から敵が逃げ出さない様に完全包囲を頼む。逃げられては後々で厄介だ」
「心得ましたぞ」
「……頼みます、ユーリ殿。ランス殿の采配は最適だったと信じておりますよ。後、耳をお貸し頂けたい」
「ああ」
エクスは、ユーリの方を向く。その表情は険しい。
「お気づきかと思われますが、……今回の戦闘、初戦では、彼とは出くわしていません。ですから……」
「判ってるさ。……あの時、リーザスでのコロシアムに出場した時、彼の笑みにはオレも気づいていた。笑みの中に含まれる気迫、と言うよりは殺気に近しいモノをな。……今回の戦いでその程の《気》を纏ってる者はいなかった。……つまり、この先が鬼門、という訳だろう?」
「……ええ。そこまで判っていらっしゃるのなら、もう何も言いませぬ。彼は対人戦、町中などで、一体一の状況となれば、多勢に無勢だろうと関係無い。技量が足りぬ者が立ち向かえば
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ