暁 〜小説投稿サイト〜
ランス 〜another story〜
第3章 リーザス陥落
第55話 レッドの町の鬼門
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 ランスが選ぶんだろ?」
「がはは、当然だ! まず……」

 ランスが見渡した途端に顔を背ける面々がいる。圧倒的にユーリ派の女たちは、拒否姿勢を崩さない様だ。苦笑いをしているのは、ミリ、マリア、シィルだけだった。

「……おい、まずユーリ。お前は一緒に来い」
「ああ。判った」

 流石のランスもそれくらいは判った様で、やや不満だったが、ユーリをまずは選択する。元々は選ぶつもりだった様だ。

「珍しいね。男のユーリを連れてくなんてさぁ?」
「ふん、こいつはガキだが、何よりも戦闘馬鹿でもあるからな。オレ様の手足の如く使えるのだ。それに、目を離したら町の女たちを襲いかねん!」
「ランスと一緒にしないで!!! 馬鹿!!」
「……こんな大変な時にそんな事、する訳無いでしょ」

 いつもの通り。恒例になりつつあるだろう、真っ先に反応して、反論するかなみ、そして呆れ気味で言葉を返す志津香。ユーリはと言うと、2人を見て……。

「……オレの代わりに言ってくれるのは、嬉しいが、足踏むは止めてくれ。せめて連続で踏むな。……痺れる」

 そう言っていた。
 実は志津香はすぐ傍にいて、ゲシゲシと足を踏みしだいていたのだ。ランスが言ったことを絶対しないように!!と釘刺すように。踏まれながらも、もう痛いと言う言葉は言わずに、苦言を呈するユーリ。



――ユーリの防御力(足部位)が10増した。(でも痛い事には変わりない様子だ)



「前衛にラン、ミリ、トマト、かなみ。後衛に志津香、マリア・チューリップ3号、シィルだ。遅れるな! オレ様について来い! がはは!!」

 パーティメンバーを選定した後、のっしのっしと大股で先へと進んでいくランス。シィルもランスについていき、ミリも首をぐるりと回しつつ、ついて行く。

「……バレス将軍、それに軍の皆、町から敵が逃げ出さない様に完全包囲を頼む。逃げられては後々で厄介だ」
「心得ましたぞ」
「……頼みます、ユーリ殿。ランス殿の采配は最適だったと信じておりますよ。後、耳をお貸し頂けたい」
「ああ」

 エクスは、ユーリの方を向く。その表情は険しい。

「お気づきかと思われますが、……今回の戦闘、初戦では、()とは出くわしていません。ですから……」
「判ってるさ。……あの時、リーザスでのコロシアムに出場した時、彼の笑みにはオレも気づいていた。笑みの中に含まれる気迫、と言うよりは殺気に近しいモノをな。……今回の戦いでその程の《気》を纏ってる者はいなかった。……つまり、この先が鬼門、という訳だろう?」
「……ええ。そこまで判っていらっしゃるのなら、もう何も言いませぬ。彼は対人戦、町中などで、一体一の状況となれば、多勢に無勢だろうと関係無い。技量が足りぬ者が立ち向かえば
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