暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜銃声と硝煙の輪舞〜
闇の向こうに
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うな感触を狂怒は得る。

―――まさか、そんな、嘘だろッッ!!?

焦りながらも具体的な打開策は何も思いつけない青年を、至近距離で見つめ、少女は柔らかな笑みを浮かべた。

桜色に僅かに色づいた唇が開き、音にならない声を作り出す。

―――おいで。

短いその言葉を聞く者は、もうその部屋にはいなかった。










レン、好きだよ。

でも何で振り向いてくれないの?

ボクはこんなに好きなのに。愛してるのに。

マイちゃんがいるのは分かってるよ。だけど、だけどさ。少しくらいいいじゃない。

少しくらい、こっちをみてみるくらい、いいじゃない。

ボクじゃダメなの?

なんで?どーして?

ろくおーになったよ。

つよくなったよ。

つらかったけど、いっぱいいっぱいれんしゅーして、いっぱいいっぱいがんばったよ。

それでも、まだだめなの?

どーしても、ふりむいてくれないの?

ぼくは、きみのとなりにたちたいだけなのに。

いっしょうけンめー、がまんしたのに。

ほんとはすきになッテもらいたい。

だケド、それはむりだってわかッた。だからガまんしたのに。

まだがまんしナイとイケナイの?


……じゃア、モうイイヤ。


ツライコトなンテ、モーウンザリ。


イイジャン、ガンバッタヨ。



カナワナイコイダッテアルヨネ。




……………………………………………………………………アレ?








ボク、ダレノコトガスキナンダッケ?










身体中の熱という熱が吸い出されるような不快で不気味な感覚とともに、唐突にユウキは意識を覚醒させた。

といっても意識は覚醒したのだが、視界が薄ぼんやりとして周囲の状況がまったく分からない。聴覚も何か蓋でも被さっているようにくぐもって聞こえた。

不安定な五感に、ユウキはアバターの眉をひそめた。

アミュスフィアの体感覚同期機能が上手くいってないのだろうか。サーバの回線が渋滞、もしくは混乱した時によく生じるラグとも違う。見たことのない、いや感じたことのないその現象は、少女の心を不安で掻き毟った。

やがて霧が晴れるように、ぼんやりとした闇に包まれていた五感が戻り始める。

初めに感じたのは、二の腕を中心に広がる針のような激痛だった。

血が流れるように一定間隔で脈打つその傷は灼熱のようでもあり、そうと思えば極寒の氷のような寒気を伴う怖気を与えてきたが、どうやら時間とともに徐々に弱くなっているようである。

次いで感じたのは、妙に生暖かい手のひら――――いや正確には手首の感触だ。

ぶよぶよし
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