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DIGIMONSTORY CYBERSLEUTH 〜我が身は誰かの為に〜
Chapter2「父を探して 山科悠子の依頼」
Story8:『山科悠子』の依頼
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ます。連絡先を教えて頂けますか?」

「…………」


 しかし、暮海さんが山科さんの連絡先を聞いた途端、彼女は少し悩んだ様子で顔をまた俯かせた。


「……いえ…その必要は、ありません。しばらくしたら、また、来ます」

「……?」

「それでは…これで、失礼します」


 結局、彼女は連絡先を伝えぬまま、探偵事務所を後にした。


「…………なるほど、な」


 だが暮海さんには何かわかったらしく、顎に手を添えて納得顔でそう呟いた。
 ……え、今の会話で何かわかったんですか?

 彼女が事務所を去った後、暮海さんはデスクにある大きなPCを使って、山科誠のアカウント情報を調べ始めた。


「結論から言おう。このアカウントは、何者かに乗っ取られている可能性が高い」

「ッ、やっぱり…! 最近多い、『アカウント狩り』ですね?」

「あぁ。その証拠に、アカウントの動きに不自然な点が多々見受けられる。同時に“複数の山科誠”が、EDEN内を闊歩していたりな。キミの言う通り、最近巷を賑わしている『アカウント狩り』に間違いない」


 『アカウント狩り』。EDENで使われているアカウントを乗っ取り、自分のアカウントとして使う事例だ。
 勝手に多額の買い物をし、本人の知らないところから多額の請求が来たり、買ってもいないものが届けられたりする。まぁT○it○erの乗っ取りに近いものだ。


「キミにはまず、現在もアクティブな山科誠のアカウントの追跡からはじめてもらう。アカウントの乗っ取りは、往々にして組織的な犯行であることが多い。
 EDENで聞き込み調査をすれば、アカウント狩りに関する情報が、何かしら得られるだろう」

「はい、分かりました」

「出番だ、ワトソンくん……ふふ。EDENへ赴き、聞き込み調査をしてきたまえ」

「了解!」


 ……しかし、ワトソンくんって…なら暮海さんは、さしずめシャーロック・ホームズですか?





 
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