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DIGIMONSTORY CYBERSLEUTH 〜我が身は誰かの為に〜
Chapter2「父を探して 山科悠子の依頼」
Story8:『山科悠子』の依頼
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「(そうか…)」
それを聞いた暮海さんだが、取りあえずその事は後回しにするつもりなのだろう。表情一つ変えずに、そのまま「悠子」さんに話しかけた。
「依頼人の『山科(やましな)悠子』さんですね?」
「……はい、私が…山科悠子、です」
「では、依頼内容を伺いましょう。そちらのソファへお掛け下さい」
「………はい…」
いつも通り、暮海さんは「悠子」―――もとい、山科さんを依頼人用のソファの方へ促し、自分はその反対側のソファに座った。
「―――父が…私の、父が…消えてしまいました」
「…消えた、とは?」
「失踪の類とか?」
「そう、です……行方不明に…なってしまったんです。探偵さんには、消えてしまった父…『山科誠』を探し出して…欲しいんです」
なるほど、捜索依頼か……しかし、それだったら別に警察に任せてもいいんじゃないか?
「ふむ…お父様に関する情報はありますか?」
「はい…父の、基本的な情報はこちらに。…データを送ります」
そんな疑問を抱く俺を他所に、二人の会話が進んでいく。彼女はデジヴァイスを操作し、その父親の基本的な情報が入ったデータを、暮海さんに送った。
送られたデータを、早速確認する暮海さん。俺もその後ろからのぞき込むように見る。
「ですが…その中で手がかりになりそうなのは、父が使っていた『EDENのアカウント情報』くらいで…。アカウント情報を問い合わせると…現在も、アクティブな状態なんです…でも……」
「呼びかけても、応答しない?」
「…全く、反応がありません」
アカウント情報を問い合わせるというのは、EDENを管理するカミシロ・エンタープライズに情報を問い合わせるということ。アクティブならば、それはEDENへログインしているということになる。
呼びかけるというのは、現実世界からEDENにログインしている人へ呼びかけることだ。しかしログインしている人が応答しない限り、それが繋がる事は一切ない。
しかしどういうことだろう。ログインしているのに、こちらからの呼びかけには応答しない。しかも相手は自分の娘ならば、少しの反応があって然るべきだ。
それがないということは、反応が返せないということ。EDENでそれが起こっている、ということはつまり―――
「………父を…見つけ出してください」
「…わかりました、お引き受けしましょう」
「…! よろしく、お願いします…」
と、俺が思考している間に、話が進んでいたようだ。丁度暮海さんの言葉を聞いた山科さんが、少し明るい表情で顔を上げたところだ。
「では、すぐに調査を開始しましょう。進展があれば、お知らせし
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