第1章:平穏にさよなら
第7話「契約と加護の力」
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表示された文章を読み、そう呟くバニングスさん。
「あたし達は!今まで騙されていたって言うの!?」
「ひどい...ひどいよ、こんなの....!」
机を叩き付けるように激昂するバニングスさんと、手で顔を覆い、泣きじゃくる月村さん。...どちらも、ショックが大きかったのだろう。
「...まさか、なのはもか?」
「...はい、なのはちゃんも、魅了されています。」
恭也さんの呟いた疑問に、聖奈さんが答える。
「...どうして...。」
「...?」
忍さんが俯いたままそう呟く。...なんだ?
「どうして!それを知ってて放置してたの!?こんなの、見過ごせるような物じゃないわよ!?」
「そうよ!分かってたんなら、助けてくれてもよかったじゃない...!」
忍さんの悲痛な叫びに、バニングスさんも便乗する。
「...できなかったんだ!!」
「っ....。」
確かに、尤もな言葉だ。でも、僕だって万能じゃない。
「確かに、早い時期に魅了の件については知ったよ。だけど、僕には何もできなかったんだ!ただどういう状態になってるかだけ分かって、何もする事ができずに、いつ、緋雪が同じ目に遭ってしまうか怖くて...怯えるだけしか、できなかった...。」
平常に振る舞ってはいた。緋雪のステータスから洗脳されないだろう事も分かってた。だけど、周りの女性がどんどん魅了されていくのが耐えられなかった。いつか、緋雪の洗脳耐性を超えた魅了をしてくるんじゃないかって...。
「...志導君は、悪くないよ...。」
「聖奈さん...?」
「私なんか...私の方が...!」
今までの優しい雰囲気は引っ込み、悲痛な雰囲気を見せる聖奈さんに、皆が注目する。
「...魔法と関わった時から、私は皆が魅了されている事に薄々感づいていたの。だけど、皆が魅了されていくのを、私は見ているだけしかできなかった!フェイトちゃんとアリシアちゃんと、八神家の人たちは助けられたはずなのに!私は...私は、何もしてあげられなかった...!」
〈マスター...。〉
...そうか、聖奈さんも、自分だけが無事で周りが魅了されていくのに助けられなかったのが苦痛だったのか...。
「...二人共、ごめんなさい...。失言だったわ...。」
「...ごめん...。」
忍さんとバニングスさんが謝ってくる。
「...大丈夫、もう魅了を解く事ができるようになったからさ。」
〈...お言葉ですがマスター。そうはいきません。〉
「えっ?なんで?」
僕が言った言葉をリヒトに否定される。
〈今回、あの魔法が使えたのは今まで体内に溜まっ
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