第四十六話 襲撃
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さっきまではここは平和なパーティ会場だった。
誰もがグランバニアの繁栄と幸せを願い、祈り、喜んでいた。ほんの少し前までは誰もが笑顔で、優しい光に包まれていた筈だったんだ。
でも、それは突然かき消された。
魔物が窓を破って城内に侵入してきた。
その瞬間光は途絶え、闇が覆い、笑顔は恐れに塗り替えられた。
何故こうなったのか私にはわからないけれど、今できること。
それはみんなの為に戦う。ただ、それだけ。
襲ってきた魔物達を魔法で返り討ちにし、戦っている仲間の援護を行う。
私は敵を見据え、魔法を唱える。大切な『今』の為にーー!
数時間前、グランバニア城ミレイの自室
「どれにしようかな」
机に置いた幾つかのアクセサリーを見ながら、私は言った。
誕生祝いのパーティに付けるようのアクセサリーを色々考えているんだけど、どれもよくてなかなか決められない。でも早く決めないとパーティに遅れちゃうからね。
しばらく考えて、この前デボラが送ってきてくれたネックレスを付けることにした。
銀のチェーンに青い宝石が特徴のネックレスでとても気に入ったけど、今まで傷付けるのが怖くて大事に保管していたやつだ。
それを手に取り、グランバニアのメイドさん達に着替えやお化粧などの面倒を見てもらいに行く。
本当はドレスも化粧も私がやらなくちゃいけないんだけど、まだ私が元の世界で過ごしていた時はドレスを着る機会なんてなかったし化粧とかも『もう少し大人になってからでいいかな』って思っててあまり知らなかったからこうして面倒を見てもらっている。
……グランバニアで暮らし始めてからもう一年近く経つのに化粧もドレスも中々できないのは本当に反省しています。
「はい、終わりました」
私を担当してくれたメイドさん、ティアさんがゆっくりとお辞儀しながら言った。
「ありがとうございました」
ティアさんにお礼を言って、パーティ会場に向かう。
途中でピエール達やドリスと合流して、パーティが行われている大広間に入り、席に着いた。
「では、これよりレックス王子・タバサ王女の誕生記念の祝賀会を開始する。まずは新たな命の誕生に、乾杯」
壇上に立っている、オジロンさんがそう言ってグラスを掲げた。私たちもグラスを掲げ、中身を飲んだ。
その時、体の感覚がうまく効かなくなった。周りの風景がぼやけて自分の体に力が入らない。手からグラスが滑り落ち、割れて絨毯に染みを作った。
「な……んで……」
それが私が意識が途絶える前に言えた最後の言葉だった。それを言った直後私……の意……識………………………………。
「大丈夫ですか?ミレイさん」
気がつくとそこはグラ
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