第三章
[8]前話
「何かな」
「嫌な状況だな」
「そうだな」
「もう行くの止めようぜ」
「その方がいいな」
「そうだよな」
友の友人達、ゲーム仲間がこう話していた。その中には友もいてだ。
彼もだ、こう言った。
「もうな」
「ああ、他にもいい店あるからな」
「他の店行こうぜ」
「あの店じゃなくてな」
「別の店な」
「そこに行こうぜ」
こう言ってだった、それでだ。
友はその店から離れた、そして。
ある日だ、偶然その店の前を通ると。
シャッターが降りていた、そのシャッターには貼り紙が貼られていてだ。そこには閉店の挨拶が書かれていた。
それを見てだ、彼もわかった。
そのうえでだ、家に帰ってだ。父にこのことを話した。すると。
為景は神妙な顔になりだ、首を一回縦に振ってからこう言った。
「やっぱりな」
「潰れたっていうんだね」
「当然の結果だ」
その閉店はというのだ。
「その時も言ったがな」
「馬鹿な店員を雇っているからだね」
「その店員以外にも馬鹿な店員を雇っていたな」
「何でこんなの雇うんだっていうのをね」
友はこう父に答えた。
「雇っていて。お店の状況が酷くなって」
「誰も来なくなってだな」
「潰れたよ」
「店長は何をしていたんだ?」
「全然やる気なかったみたいだよ」
このこともだ、友は話した。
「お店のことは店員に全部任せてね」
「そうか、つまりだ」
そのことも聞いてだ、為景は友に言った。
「馬鹿な店長が馬鹿な店員を雇った」
「それでだね」
「店が潰れた、馬鹿な店長だから馬鹿な店員を雇った」
「そうなるんだ」
「そういうことだ、御前の話を聞いて潰れると思っていた」
「実際にそうなったね」
「ああ、本当にな」
為景は淡々とだ、大学生になっている友に語った。友もその話を淡々と聞いた。
閉店した店の後には暫くして居酒屋が入った。その居酒屋の店員は確かで店長も自ら先頭に立って働いていた。そうして店は繁盛していてだ、友もその店で酒と料理を楽しんだ。前にあった店のことを時折思い出しながら。
閉店 完
2015・2・22
[8]前話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ