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釜の音
3部分:第三章
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結果がどうであれ。ですか」
「ええ。仕方がありません」
 こう言うしかなかった。若松さんが今それを語っても実に辛い顔になってしまっている。
「それでいいですね」
「そうですね」
 雨宮さんも遂に頷かれた。この人にも結果はわかっていたが。どうしようもないとわかったからだそうだ。雨宮さんは占いの結果を心配していた。その道筋は違うが結果は若松さんと同じものを見ていたのである。
「それでは」
 雨宮さんまで諦めた顔で頷いたことにより全ては決まった。奥さんは御主人と籍を入れられて二人で一軒家に移られた。暫くは平穏に暮らしていたという。
 だが。若松さんが知っておられるように御主人は浮気者であった。暫くして愛人を他所に作り女遊びをはじめられたという。若松産も雨宮さんもそれを見てやはりと思われたそうだ。
 またそれを見てすぐに奥さんのところに行った。休日だが御主人はいなかったという。その日何処にいたのかはもう考えることさえ愚問であった。
 御二人は離縁を勧められた。これは当然だと思う。しかし奥さんはそれを聞き入れられなかたっという。これも予想されることだった。僕も話を聞いていてこうなるなと思った。
「どうしてもですか」
「はい」
 寂しく人の気配もまるでない家の居間で御二人は奥さんに話されたという。奥さんはかなりやつれていたがそれでも御二人に答えられたとのことだ。

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