第三章
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「それでもです」
「まだ、ですか」
「その草木が種を残してくれますから」
「あっ、その種が」
「あと。花粉でもです」
種でなくても、とだ。私に言ってくれた。
「草木がです」
「結ばれて、ですね」
「花が咲きますので」
「植物は枯れても」
「また新しい命が生まれます」
そうなるとだ、私に言ってくれた。
「そうなりますので」
「その草木、花の命が終わっても」
「それでもですか」
「そうです、ですから」
「そうなのですね」
「花は枯れてもまた咲きます」
新しい花が、というのだ。
「私達はそれで何度も観て楽しんでいます」
「それでこうしてですね」
「お茶にも入れています」
「そうなんですね」
「はい、では」
「それでは」
「飲みます」
私は自分からだ、お店の人に笑顔で言った。
「もう一杯お願いします」
「それでは」
こうやり取りをしてだった、私は実際にローズティーをもう一杯注文して飲んだ。それが終わってからだった。
私に付き合ってくれてローズティーをもう一杯飲んでくれた彼にだ、微笑んで言った。
「何かね」
「気が変わったんだね」
「さっきはあんなこと言ったけれど」
お花は絶対に枯れる、そう言ったことを言った。
「けれどね」
「それでもだね」
「気が変わったわ」
自分からだ、私は言った。
「そうじゃなくてね」
「枯れてもね」
「ええ、またね」
そう思える様になったことをだ、私は彼に言った。
「咲くわね」
「そうだね、そのお花が枯れても」
「また別のお花がね」
「咲くね」
「だからね」
私は自分から言った。
「また観に行きましょう」
「今度は何処に行くのかな」
「お花が一杯咲いているところに行きたいわ」
「じゃあローズティー飲んだから」
「薔薇のところね」
「そこに行こう」
こう私に言ってくれた。
「そうしよう」
「ええ、それじゃあね」
「そこでね」
さらに言ってくれた、私に。
「薔薇を観ようね」
「一杯咲いてる薔薇を」
「これからね」
こう私に言ってくれてだ、彼はお店を出た後薔薇のコーナーに案内してくれた。そしてそこでだった。
その色とりどりの沢山の薔薇達を見て。
私は笑顔になってだ、彼に言った。
「暫くここにいましょう」
「それだね」
「観て楽しみたいわ」
こう彼に言ってお花を観た、散ってもまた咲いてくれる沢山の奇麗な花達を観てそうしてここでは楽しい気持ちになれた。
咲きほこる花 完
2014・12・28
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