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Fate/The All
02:御華功
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い。
故に、御華功という男が、『魔法使い』である筈が無いのだ。

──まあ兎にも角にも。少しは戦力になるかもしれない。

「──『皇帝特権』」

『治癒魔術を使える』という事実を自らに付与し、功の体内の魔術回路に治癒を施す。
元より刹那の持つ高い魔術スキルと相まって、その傷はすぐに癒えた。
そして──

「──さあ、起きなさい召喚者。何時まで寝惚けているのです」

ガンッ!
思いっきり蹴った。

「くぺぁっ??」

奇妙な断末魔を残して、功の体が吹っ飛んだ。
廃倉庫の片隅に乱雑に置かれていた麻袋の山に頭から突っ込み、暫くすると飛び上がるかのような速度で飛び出し、叫んだ。

「殺す気かッ!?」

「安心なさい、手加減はしました」

「そういう問題かよ??」

痛つつ……等と呟きつつ功が立ち上がると、それを見届けた刹那は直ぐに背を向けた。

「方針を変えます。オマエは普段通りに生活しなさい。マスターと遭遇した場合の交戦も許可しましょう。しかし、サーヴァントが居るならば話は別です。全力で逃げなさい、援護ぐらいはしてあげます」

「……?アーチャー?」

「気が変わっただけですよ。どうやら、思った以上にサーヴァントは化け物揃いのようです。
オマエの無駄に膨大な魔力も、使い道があるやもしれませんしね」

「じゃあ……!」

顔に笑みが浮かび、功がアーチャーに触れようとした──その、瞬間。

「──自惚れるな、人間」

「……っ??」

氷のように冷たい声が、功の体を凍り付かせる。

「オマエの力は雑魚同然だ。マスター相手でもマトモに戦えると思うな。私の援護無しに戦うなど、無謀を通り越して愚かだという事を、心に刻んでおけ、落ちこぼれ」

「──。」

「……言いたい事はそれだけですよ。精々、戦いの準備でもしておきなさい」

アーチャーは最後に一言付け加えると、霊体となって虚空に消えた。
功は、何も言えぬままその場に立ち尽くした。











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「──は、はは……!ははは!アハハハハハハハッ??」

女は、狂ったように笑った。

「勝った!勝ったわ!聖杯戦争?アハハッ!もう終わったも同然じゃ無い!」

眼前に跪く男──サーヴァント、ランサー。
女は自らの魔術で、その正体を一瞬にして見抜いた。
その正体は──

英雄どころでは無い。

即ち

──神霊。

決して聖杯戦争に現れるはずの無い、神の化身。
その神霊が、今自分のサーヴァントとして降臨した──

「──殺しな
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