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アーチャー”が”憑依
十四話
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ですわ!」

「いいんちょ! 鼻血! 鼻血出てるって!」

頬を真っ赤に染めながら鼻血をダバッダバに垂れ流す雪広に村上夏美が慌ててティッシュを渡す。何というか、美人が鼻血を流している構図には思うところがあるようだ。未だ興奮の収まらぬ雪広を強引に座らせ鼻血の処理を始めた。

「それで朝倉さん! 詳細はどうなってますの!」

「ちゃーんと決めてあるから。今から他の班にも告知してくるから」

雪広が堕ちた瞬間に、ネギが苦労することは決定した。だが、彼女達は気付いているだろうか? 彼女達が今夜は無事眠ることが出来なくなったことが、この瞬間にきまった事に……


「さーて、それじゃあラブラブキッス大作戦! 開始!」

各部屋に設置されたモニターを通して朝倉が開会宣言を行う。各班から選出されたメンバーは以下の通りだ。



一班:雪広あやか、村上夏美

「ネギ先生の唇は私が!」

「何で参加させられてるのぉ!」

二班:古菲、長瀬楓

「ネギ坊主を見つけたら勝負するアル」

「うーむ、拙者も興味があるでござるな」

三班:佐々木まき絵、大河内アキラ

「アキラが参加するなんて思わなかったよ」

「楽しそうだから」

四班:鳴滝風香、鳴滝史伽

「へっへ〜ん! 僕達にかかれば楽勝楽勝」

「お姉ちゃ〜ん、相手にはかえで姉がいるんですよー」

五班:綾瀬夕映、宮崎のどか

「ゆ、ゆえ〜。どうしてこんなことになってるの〜」

「ハルナが何か企んでいるかと思えば……こんなアホなことを」



「さーて、今夜最後にして最大のイベント! トトカルチョはまだ受け付けてるよ! 選手の皆は頑張ってね!」

こうして、長い長い夜が始まる。




「やれやれ、一体何を始めたんだ」

生徒たちの部屋を一通り周った後、ネギはとりあえず部屋で一休みしようと廊下を歩いていた。だが、それも束の間。旅館を動き回る複数の存在を感じ取ってしまった。何処か覚えのある気配のそれは、間違いなく生徒のものだろう。大きなため息を一つ吐いたネギは、他の教員に迷惑をかける前に鎮圧しようと元来た道を引き返した。



「うーむ、いないでござるなぁ」

「気配のけの字もしないアル」

自分達の担任であるネギ・スプリングフィールドは彼女達が只者ではないと赴任当初から目を置いていた存在だ。只者ではないが故にその気配は常人とはどこかしら違うものがあり、すぐに見つかると二人は思っていた。だが、蓋を開けてみれば15分ほど歩きまわってみたものの影すら踏むことができないでいた。

「それにしても、勝ったらそうするアル? 本当にキスするアルか?」

「ん〜? そういえば、これはそういうイベントでご
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