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リリなのinボクらの太陽サーガ
闇王
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付く。だがこういった日々が続くのは、彼の体調が治るまでの間だけ……やがてその時が訪れてしまう。集落の人達との別れを名残惜しみながら、クラウスはやるべき事を果たすべく再び修行の旅に出た。

だが道中、自分に刺客を放ってきた某国が、ニダヴェリールのどこかに“聖王のゆりかご”をも凌駕する“絶大な力”が眠っている、という情報を下に侵略行為を行っている事を耳にする。それともう一つ、某国軍の進攻先には……世話になった彼女達が住む集落があるという事も。治療の恩を返すため、急ぎ集落に駆け戻ったクラウスは予想通り進軍していた某国の軍と交戦、覇王の意地を賭けて撃退する。ルア達からの感謝の言葉を耳にしながら、今度は自分が助ける番だ、と決意した彼は某国の企みを阻止すべく、集落を守るために再び滞在を決める。なりふり構ってもいられない事もあり、自分が王である事を明かしたクラウスはシュトゥラにも軍の派遣を要請、某国との全面対決に備える。

覇王一人でも十分撃退に成功していたが、その時の敵は小競り合い程度の戦力だった。そして……シュトゥラ軍が到着するまでの間に、捜索に人数を注いでいた某国はとうとう“絶大な力”を発見してしまう。その正体こそ、絶対存在……静寂の獣ファーヴニルであった。

当時のファーヴニルは深い眠りについていて害を及ぼす事はしなかったため、割と軽めの封印で十分問題は無かった。しかし某国が欲望のままその封印を解除し、愚かにもファーヴニルを目覚めさせてしまう。触らぬ神に祟りなし、という言葉通りに眠らせていれば良かったものを、敵を殺すための力を求める彼らの殺意に当てられたファーヴニルは、目覚めるなり近くにいた某国の軍を本能のまま蹂躙、壊滅的被害を与える。だがそれだけに留まらず、ファーヴニルは地上に出て破壊の限りを尽くそうと暴れ出す。その光景を目の当たりにした人はすべからく、常人では到底太刀打ちできない圧倒的な絶望を前に打ちひしがれていた。

だがここで彼が立ち上がる。覇王と謳われる実力を持つクラウスは、ファーヴニルを相手に一騎打ちを挑んだのだ。地上を破壊されないため、これ以上の被害を出さないため、そして今度こそ守りたい人を守るため……。彼とファーヴニルの熾烈な死闘は想像を絶する程で、日をまたいでも続いていたという。しかし彼一人ではあくまで足止めしか出来ず、根本的な解決を果たす事は出来そうになかった。それでもクラウスは戦い続けた、力及ばず聖王を救えなかった後悔を、二度と味わいたくなかったから。

彼の戦いを見た某国の首脳陣は恐れをなして逃走、生き残った某国軍は祖国から置き去りにされてしまう。また、派遣されてきたシュトゥラ軍は、自分達の王があんな化け物を相手に立ち向かっているにも関わらず尻込みしてしまって戦力にならなかった。そんな彼らを見て、ルアとクレスは動き出す。
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