闇王
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。此度の件で教主殿がレヴィに作ると約束したカレーだが、先程のように今の彼は衰弱してしまっている。そのため教主殿は、我らに手伝いを求めてきたのだ。そういうのは本来シュテル達臣下がやるべき事かもしれぬが、逆に王だからこそ臣下の面倒を見なければならないと、我は思っておる。それにレヴィ辺りはつまみ食いとかしそうで不安だ。ゆえに我らは和気藹々とまるで合宿のような楽しい雰囲気の中、皆でカレーを作り上げたのだった。
で、味は……まあ、語るまでも無いだろう? 皆で作ったカレーとは、そういう料理なのだから。でもちゃんと美味かったとだけは言っておく。
それにしても料理か……今はまだレシピを覚える段階だが、臣下を養っていくためには覚えておくべき技能であろう。これから言語習得の合間に暇があれば、教主殿に教わろうと思った。
「知りませんでした……」
「む? 急にどうした?」
「皆で一緒に食べるごはんって、こんなに楽しくて……とても美味しかったんですね……」
「まあ、確かにその通りだな。我らもつい最近までは知らなかった感情だ」
「へ? ディアーチェ達も?」
「そうだ、我らも教主殿と共に生きる事で心を培った。ユーリ、知らない事はこれから知っていけばよい。我らはもう自由なのだから、もっと多くの出来事がお前を待っておる」
「はい……その時を楽しみにしています!」
「とはいえ、今は当面の問題をどうにかせねばならぬが……教主殿と我らがそろえば向かう所敵無しだ。絶対存在であろうと、我らの前に立ちはだかるならば打ち倒していくだけである!」
「わぁ、頼もしいです〜! 私も頑張ります! ……頑張りますよ?」
「いや、その台詞は別の者のだし、二度も言わんでいいのだが……まあ良いか」
テーブルを挟んでレヴィが目をキラキラさせながら猛スピードでカレーを口にほおばり、シュテルが頬に付いたごはん粒を教主殿に取ってもらおうとほくそ笑んでいたりする光景を傍目に、我はこの小さな幸せをじんわりと胸に染み渡らせていた。
周波数140.80からCALL。
『食糧を食べたな』
「ああ……」
『まさか、LIFEが回復するとは思っていないだろうな?』
「は? まさか回復……しないのか?」
『当たり前だ。食べものを食べただけで傷が治るわけがない。食糧を食べることで回復出来るのはスタミナだけだ』
「ば、馬鹿な……! 俺は干し肉やトマトジュースやらで回復した事があるぞ!? ここにはいないが弟も同様に……!」
『ふっはっはっは! 普段クールなくせして中々面白い冗談を言うじゃないか、サバタ。この俺様をも笑わせるとは、意外な才能も持っていたのだな』
「いや、冗談ではないんだが」
『おいおい、冷静に考えて
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