闇王
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陣を追い払うべく抵抗運動を行ったり、今度は守り切れた事でどこか吹っ切れたクラウスが、近い内に武者修行の旅を終わらせる事を復興に力を貸すシュトゥラ軍に伝える。それで彼はしばらく集落の復興を手伝った後、静かに姿を消した。しかし……旅立っていった彼の後姿を見た者は言う。彼の旅はもう孤独では無かった、と。
「あのね……ミッドには覇王の子孫が今も残っているんだけど、これって要するに……そういう事よね……?」
「でしょうね、カリム。正直……私も驚きのあまり反応すら出来ず、色んな意味で変な感覚になっています」
「なんつーか……こういう時って確か、おめでたって言うんだっけか?」
「ヴィータ、それちょぉ〜っと言うタイミングちゃうよ」
「まあとにかく、私達が驚いている理由の一つとして……知られている史実では聖王オリヴィエの事ばかり考えていた覇王クラウスが一体誰と子をもうけたのか、詳細はどこにも残っていなかった点が挙げられます。なのでこの文献は聖王教会には、もといベルカ人にはとてつもなく価値のある歴史的資料になります」
「フラグ的にはルアとクレスのどっちかが立ったんやろうな〜、んで旅も一緒にしたと……。まあ、この三角関係でどっちに軍配が上がったのか、私もむっちゃ気になるんやけど、今やるべき論点はそこやない」
「私の女子としての本音はもっと語り合いたい気持ちでいっぱいなんだけど、確かにはやてさんの言う通りだわ。それで……決戦でクレスさんが歌っていた安らぎの歌こそが、私達が探していたファーヴニル封印のカギみたいね」
「つぅかフツーさ、まさか歌がカギだなんて思い付かねぇだろ……。あたしの想像じゃあ滅茶苦茶強力な封印魔法を使って、ひたすらボコって大人しくさせるしかないと思ってたのによぉ」
「力技一択やね、ヴィータ。私の騎士達って実は皆脳筋なんやろか? っと、話を戻して……この安らぎの歌、曲名は“月詠幻歌”って言うらしいで。文献によればもっと前からニダヴェリールに伝わる歌だったみたいやけど……そんな昔の歌が今も残っているか、正直に言って可能性はゼロにも等しいと思う。だって……なあ……?」
「あ……そう、でした……。ニダヴェリールはもう、跡形も無く滅びていました……。もしあの世界に書物が残っていたとしても、世界が崩壊してしまっては流石に見つけようがありません……。ハッ、もしやラタトスクはこれすらも読んでいて……!」
シャッハの思った通りだとしたら、ラタトスクの計画は私達に出来得る、あらゆる対策を徹底的に潰しに来ている事になる。流石にあのイモータルでもここまで知っている訳では無いと思いたいから、多分こういう対策法があっても問題が起きないように、万全を期してニダヴェリールを滅ぼしたのだと考えられる。ものすごく癪だが、今の私達は奴の
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