第3章 リーザス陥落
第53話 ヒララ合金を求めて
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スの事をよくわかってきたか」
「……判りたくないです」
「はぁ……私から話しといてなんだけど、まだ入口。こんなとこで話していても始まらないし、さっさと奥に向かいましょう」
志津香も実は同じように思い浮かべていたのだ。あの男が言いそうな言葉など、想像がつく。……かなみの様に判りたくないとも思っていた。
「ああ、そうだな。……よし、先頭はオレが立つ。かなみは背後から敵が来ないかを警戒してくれ。志津香を挟む布陣で進むぞ? 志津香は援護を頼む」
「はい」
「ええ」
ユーリ達は、警戒をしつつ奥へと向かっていく。どうやら、入口付近にはモンスターの気配はまるで無いようだ。モンスターだけでなく、人の気配も無い。……どうやら、鉱山の奥で発生したのだと推察出来る。
「……誰か、いるわね」
「ああ」
時間にして、数十分。それなりに奥へと進んだところで、漸く作業員らしき人物と出会った。
「すまない、ちょっといいか? あんた」
「む? あんたではない。オレはミッチェルと言うんだ! よく覚えておいてくれ」
「……そりゃ失礼した。だが、妙にピリピリしてないか?」
名前を聞いて、咽せそうになったユーリだった。その風貌を見てしまったので、仕方ないだろう。それに、言いたい言葉が幾つかあるが、飲み込んでいたその時。
「えー……? どう見てもミッシェルって顔に見えないじゃない。五作や与太郎じゃない? 名前改変したんじゃないでしょうね?」
直球ど・ストレート! そのど真ん中に 切り込んだのは志津香だった。
それを聞いたユーリは、軽く吹き出してしまった。正に思っていた事をそのままトレースしているかのようだったからだ。
「あ……私もそう思うかも」
「思っても口に出すなって。……言わぬが花だろうに」
同意したかなみに、ユーリも思わず苦言を呈したが……少しとは言え、噴いてしまった自分の為、あまり説得力が無い。
「ふんっ! この俗物め、オレの教養と栄華がわからんとはな! さっきのヤツと言い最近の若い奴らは情けない!」
「さっきのやつ? もしかして、全身が緑っぽくて、口の悪い冒険者風の男とピンクのもこもこ髪の女の子か?」
そう聞いていたが、恐らくは間違いないだろう。ランスだったら、志津香同様に、いや、数段上の毒舌をプレゼントしてそうだ。
「あー、通ったよ通った! 『頭がおかしいオヤジ』だの、『名前負けしすぎ、コールド負け』だの散々言ってくれたよ! アイツ……、思いっきりシャベルでひっぱたいたら良かった」
男は、イライラしているようで、ピリピリしていた原因がそれだったようだ。……だが、そのシャベルで〜の件、それはしなくて正解だろう。
「命あってよかったな? アイツにんな事したら、即
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