暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第200話 彼の元へ…
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ウキ君が過去の因縁と戦おうとしているのなら、ただ見ているわけにはいかないの。あなたたちなら、判らないの? 死銃を名乗るプレイヤーたちの現実世界での住所、そして名前を。簡単じゃないだろうと思うけど、《ラフィン・コフィン》に所属していたメンバー全員をリストアップして、今 自宅から、GGOサーバーに接続しているか、契約プロバイダに照会すれば……」
「駄目なんです。……アスナさん」

 静かに、だが それでもなだめる様に シィは口を開いた。

「これは、全て状況証拠に過ぎません。実際の殺人の証拠、明確な証拠が上がっていない以上、礼状を取ろうとすれば、時間が悪戯にかかってしまいます。……その間に、もう 今回のBoBは……」
「っ……」

 そう、今回の大会が終われば、そこまでなのだ。もう 追えなくなってしまう。そして、彼らの計画では何人手にかけるかは判らないが、世間で広がってしまえば、もう今のアバターでGGO内部に来なくなる可能性だって、十分にあるのだ。

「それにね、不可能なんだ。僕たちが持っている情報、SAOプレイヤーたちの情報データだけど、判るのは本名とキャラクターネーム、そして最終レベルだけなんだ。所属ギルド名や、その……殺人の回数とかは判らないんだ。だから、元《ラフィン・コフィン》と言う情報だけでは、現実住所にまでは辿り突く事が出来ないんだ」
「………っ」

 淡い期待を抱いていたレイナも、肩を落としてしまう。
 確かに、説明を聴けば、彼らに危害が及ぶ可能性は無いだろう。でも、彼らが今戦っている理由は、その行為(殺人)を止める為だ。

 2人は、あの世界で、心を痛めた。

 沢山の人が痛めたけれど、その中でも……。

「クソが……。あの野郎の口調に聞き覚えはある。……なのに、肝心な名前が出てこねぇ……。それに、アイツは、死神の野郎に関しては、何もわかっちゃいねぇんだ…… クソがっ!!」

 クラインがそう呟き、そして 何度もカウンターを殴りつける。現実であれば、拳の皮が破け、血が出かねない勢いで何度も。


 その歯がゆい想いは、あの戦いに参戦しているアスナやレイナも同様だった。
 討伐戦後の後処理に、顔を突き合わせているのは間違いないのだ。だけど、それでも肝心な名前が思い出せない。記憶に濃い霧が掛かっており、読み取る事が出来ない。

 いや、そもそも最初から名前など知ろうとすら しなかったのかもしれない。

 あの集団にまつわる記憶の全てをなるべく早くに消し去る為に……。

「――……お兄ちゃんは、きっと、その名前を思い出す為に、今 あの戦場にいるんだと思います。……そして、きっとリュウキくんも」

 不意にリーファはそう呟いた。キリトの妹。和人の妹である直葉だからこそ、和人と近しい所に
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