暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第200話 彼の元へ…
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 部屋の中に入ってきた人物は、全員を一目見ると、開口一番。

「……こ、これでもセーブポイントから 超特急で飛んできたんだよ? ALOに速度制限があったら、免停確実だよ……。いやぁ ちょっと疲れちゃった……」

 そんな惚けた台詞を発する。
 その人物は、アスナと同じ水妖精族(ウンディーネ)の魔法使い。ひょろりとした長身を簡素なローブに包み、その水妖精族(ウンディーネ)の象徴とも言えるマリンブルーの挑発は飾り気の無い片分け、毒気のない細面に銀縁の丸メガネを掛けている。

 この男のキャラネームは、《クリスハイト》。

 アスナ達の一応仲間として、ALOをプレイし始めてから4ヶ月近くが経過している。しかし、その名前が英語で菊を意味する《クリサンセマム》と、岡を意味する《ハイト》の合成である事を知っているのは、アスナとレイナ、そして 今はこの世界にはいないリュウキとキリトの4人だけだ。
 
 そう、現実世界では《菊岡誠二郎》。

 表向きは総務省《仮想課》の職員にして、旧《SAO事件対策チーム》のエージェントだ。彼の本当の素性を知っているのは、この場では 1人もいない。リュウキもキリトも隠している、と言う事ではなく、別段 話す必要がないと言う事だ。話題にも上がっていなかったから、と言う理由もある。

 アスナは、当初から 本当に信じていいのかどうか疑わしかったのは、事実だ。
 
 あの日、夏の日差しの下。……皆と一緒に遊ぼう、と言う予定を 彼が無しにしてしまった。(因みに、リズが美人の先生 美人の先生を、連呼したから レイナと共に気になっちゃったのは 別の話) あの時から、不満を持ってしまったのだ。個人的な私怨? とも取れるが それでも笑顔の奥で、その惚けた顔の奥で一体何を考えているのかが読めないから、と言う理由も勿論ある。

 だけど、キリトは笑顔で言っていたんだ。『大丈夫だ』と。その笑顔の真意を アスナは感じた。だから、アスナは『相棒がすっごく頼りになるからね?』 と返すと『そうそう……って、そう言う訳でも……』とキリトは 返していたのだ。
 これではっきりと判った。リュウキの影響がそこにもあるという事を。……勿論キリトが全て頼っているとは思わないし、リュウキ自身もそんなつもりは無いだろう。ただ 傍で支えあっていると言う事。本当に信頼している相棒が傍にいるから、安心できるんだろうと思える。……正直な所、アスナとレイナ自身少なからず嫉妬を覚えてしまうのはご愛嬌だ。

一先ず、それは置いといて先に進もう。

 惚けた表情を続けるクリスハイトには、お灸を据えると言う事で、アスナの鋭い眼光、そしてレイナもアスナ程ではないが、真剣な表情、剣幕で彼の前にたった。

「……何が起きてるの?」

 アスナの単刀直
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