ブラッド隊隊長
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だがそんな所、誰かに見られれば、少女を部屋に連れ込んだという噂がアナグラ、いや、極東中に広まるかもしれない…!それはなんとしても避けたい…!ここは俺の部屋ですって言えばいいのか?そもそもこの子の部屋はどこなんだ!?
その時、俺はあることに気づく。
ここってブラッド区画じゃん。ブラッド隊隊長とか言ってたけど、ブラッド隊隊長は俺で、この子は嘘、あるいは記憶の錯乱による間違った発言をしているのかもしれない……いや、そうだろう。だったらここを自分の部屋と勘違いするのも頷ける。…やはりここは病室に連れてった方が……
「あ、あの…」
「え?あ、はい」
突然声をかけられ少し驚く。
「えと、私の部屋に…何かご用…ですか…?」
ふむ。やはり勘違いをしていたようだ。
「あはは、ここはブラッド隊隊長の部屋だよ。つまりここは俺の部屋というわけで……」
しかし、少女は納得のいっていないような顔をしている。
「えっと…私、ブラッド隊隊長なんです……ケド……」
まいったな。これは俺の手におえないかもしれん。
「えーっと、あ、そうだ。あ、あの…コレ……」
少女は何かを思い出したかのように右腕を差し出してきた。
それを見た俺は絶句する。
黒い…腕輪…!?
間違いない。これは特殊部隊ブラッドのみに取り付けられるものである。
まさか!このような少女はブラッド隊にはいなかったはず…!
そこで先ほどの会話を思い出す。
『ブラッド隊隊長…です……?』
何かがおかしい。いったい何が起こっている…?俺がブラッド隊隊長で、この子もブラッド隊隊長…?そんなバカな!だが俺の手におえないというのはどうやら間違いないようだ。
「えっと、詳しく話を聞かせてくれないかな?」
「は、はい。でも私もちょっと分からないことだらけで……取り敢えず、中、入りましょう?」
そういって、俺は部屋に招かれた。さっきまで普通に入ろうとしてたのに、途端に入りずらくなった。
「うーん…」
「どうでしょうか…?」
この少女、神裂さんの話したことは、どれも身に覚えのあるものだった。ブラッドの仲間、極東支部の皆、自分の血の力、ジュリウスを救ったこと、終末捕食を止めたこと……
「俺も、全く同じ出来事を経験しています。だけど、そこにあなたはいなかったはず…」
「わ、私もあなたとは今日初めて会いました……」
うーん…謎が深まるばかりだ。同じ事を経験しているのに、お互い初対面。まさか気づかなかったなんてあり得ないだろう。
「ちょっと、俺とごく一部の人しか知らないことを
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