第五章
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「身体に花とか魚とかの模様描いたな」
「そうした人を選ぶか」
「そうするさ、それかモラの似合う人をな」
「探してか」
「付き合いたいな」
「頑張れよ、というか兄貴もいい歳だしな」
ここでだ、フランコは自分そっくりの顔の兄にこうしたことも言った。
「恋人からな」
「嫁さんか」
「そうなる人探せよ」
「いや、それ言ったら御前もだろ」
「俺もか」
「そうだろ、俺と一歳位しか変わらないだろ」
「二歳だよ」
フランコは兄にすぐに言い返した。
「俺と兄貴はそれ位だろ」
「二歳だったら大して変わらないだろ」
「それはそうだけれどな」
「じゃあな、御前もな」
「相手見付けてか」
「さっさと結婚しろよ」
フランコにしてもというのだ。
「俺も結婚相手探すしな」
「それもそうか、じゃあ二人でな」
「水着の人かモラの人か」
「そうした人を探すか」
そうしたことを話してだった、二人は一緒に相手を探すことにした。そうして実際に暇な時にそれぞれ相手を探してだった。
後日婆さんにだ、二人で言った。
「見付けたぜ、相手」
「しかも二人共な」
「それで俺達それぞれな」
「結婚することになったぜ」
「それはいいことだね、どうして見付けたんだい?」
婆さんはまずは二人がそれぞれ結婚するという話を聞いて喜んだ、そのうえで二人にあらためて尋ねた。
「一体」
「ああ、たまたま二人で隣の島に遊びに行った時そこの入ってな」
「そこの娘さんが二人いたんだけれどな」
「その娘さん達とそれぞれ意気投合してな」
「付き合ってるうちにな」
そうしていると、というのだ。
「結婚することになったんだよ」
「目出度くな」
「ふうん、その娘さん達はあれだね」
二人の笑顔の話を聞いてだ、婆さんは言った。
「水着じゃなかったんだね」
「モラだったぜ、二人共」
「それぞれな」
「クナ族にスペインの血が入ったな」
「そうした娘さん達だよ」
「そうかい、モラを着てる娘さん達ならね」
それならとだ、また言ってだった。
婆さんは二人にだ、今度はこう言った。
「あたしからプレゼントしようか」
「ああ、結婚祝いにか」
「俺達の嫁さんになる人達にか」
「とっておきのモラを仕立ててプレゼントするよ」
笑顔で言うのだった。
「楽しみしておきなよ」
「ああ、じゃあな」
「どんなモラか楽しみにしておくな」
「凄いのを期待してるんだよ」
長い付き合いの二人ににこりと笑って言ってだった、そのうえで。
婆さんは実際に二人がそれぞれ結婚した時に自分が仕立てたモラを送った。それは様々な魚と花が模様として描かれ奇麗にアップリケとして付けられた虹色のモラだった。兄弟にそのモラをその手で渡して言った。
「じゃあこれを
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