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女人画
6部分:第六章
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え。いい町並みですね」
「風情があるな」
「ええ。何かいい感じですね」
 江戸時代、新しくとも明治時代を思わせる木造の建物が立ち並ぶ中を進みながら話をしている二人だった。
「何かこういう場所だと」
「どうした?」
「そういう風情の場所で飲みたくありませんか?」
「そういう場所でか」
「ええ。どうでしょうか」
 さりげなく提案する相模だった。
「然るべき場所で。どうでしょうか」
「そうだな。私もそんな気分になってきた」
 相模のその言葉に乗る間だった。
「ではここは」
「ここは?」
「料亭に入るか」
 考える顔でこう述べたのだった。
「料亭にな」
「料亭?奈良にもあるんですか」
「そうでなければいい感じで飲める場所だ」
 ランクを下げたがそれでも飲み食いするつもりなのは変わらないのだった。
「それで。どうだ?」
「ええ。俺はまあ間さんと一緒ならそれで」
「そうか。それではな」
「はい。それじゃあ」
 まずは幸いにしてその風情のある料亭に入ることができた。そこの座敷に案内されそこで卓を挟んで二人向かい合う。そのうえで懐石と日本酒を楽しみつつ話に入るのだった。
「それでだ」
「ええ」
「画伯の家の場所はわかった」
 話は仕事の話だった。相模も刺身を食べつつ静かに彼の話を聞いていた。
「後はだ」
「要塞攻略ですか」
「そうだ。要塞は外から攻めれば攻略は困難だ」
「けれど中から入れば」
「攻略はなったも同然だ」
 こう言い切った。
「それでな」
「じゃあ今回もそれですね」
「そのつもりだ。中に入る」
 これが間の考えだった。
「そうして一気に決める。あの禍々しい妖気から画伯が犯人なのは間違いない」
「はい、確かに」
「だからだ。一気に決めたいが」
「問題はどうやって中に入るかですね」
「そういうことだ。あの門にしろ」
 入り口のその漆黒の門についてもここで述べられた。
「そうおいそれとは入ることができない」
「何かあの門事態にも邪悪なものがありますよね」
「門だけではなく屋敷全体にな」
「ですね。だからこそ中に入ろうとするだけでも」
「かなり難しい」
「ですね。本当にどうします?」
 相模は眉を顰めさせそのうえで天麩羅を食べながら間に問うた。

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