暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第199話 真名
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…あの《ラフィン・コフィン》の事も、何にも。……だから、余計におもっちゃって……その、その……」
 

 後半になって、途切れ途切れになるレイナの言葉を繋げたのがアスナ。そのレイナの肩をひと撫でして。

「うん。……ただの因縁とかだけじゃない、って思うの。現実の危機みたいなのを……」
「考えすぎ、ってあたしは思うけど、……もう、言えないかな。さっきのアレを見ちゃったら。それも2度も……」

 リズベットの言うアレとは、先ほどから中継されているBoB大会での事だ。

 あのぼろぼろマントの男、リュウキらしきプレイヤーと対峙して、そして1人のプレイヤーを消し去った。《イッツショウタイム》と《死神》、それらの単語を残して。

 そして、もう1つ、あったのだ。

 その場所は鉄橋での事。

 同じく ぼろマントで髑髏のマスクの様なものをつけた男が、 あの銃(・・・)を撃ったのだ。……最初と同じ様に 撃たれたプレイヤーは消失し、《イッツショウタイム》と言う言葉を残して。

 それらを訊いて、バーカウンターに座るクラインが驚愕しつつも 認めたのだ。

 片方はSAO、浮遊城アインクラッドの中でも最悪のギルド《笑う棺桶(ラフィン・コフィン)》のメンバーだと言う事。……そして、その中でも最も凶悪だと言っていい。1,2を争う(死神)だと言う事を。

「っ……」
「………」

 アスナも、レイナも 恐らくはクラインが言っていた言葉を思い出したのだろう。

 そして、その言葉からあの禍々しいギルドのことを、そしてあの世界で戦った戦闘の中で、最悪の戦いと断言できるあの死闘、《攻略組合同部隊によるラフコフ討伐戦》の事を思い出してしまったのだろう。

 要所要所で、記憶は欠落、欠け落ちてしまっているのは2人とも共通である。

 そして、鮮明に覚えているのが、討伐隊の先頭で 鬼神の如く剣を振るい続ける男。

 あの戦いの始まりは奇襲だった。如何に攻略組でも、そして 以前失った命を想い、全損する事を、今回に限っては、躊躇わなくなった攻略組と言えども、同じく命を奪う事を躊躇しないラフコフのメンバーの奇襲攻撃を受けてしまい、瓦解、崩壊しかけない状況だった。

 そんな中で、まさに《鬼》……。皮肉な事に 奴らが 鬼と畏れ、蔑んだ男の怒号と一閃。それを受けてしまい、一気に攻略組へと傾いた。そして、鬼は1人ではなかったんだ。彼を支える様に、傍らにもう1人、鬼がいた。それは、白銀と漆黒の鬼だった。 

「キリトくん……」

 その戦いに関しては、アスナは見ている。思い出してしまったのだ。

 鬼の如く戦ったキリトの事を。『今回はリュウキだけに背負わせる訳にはいかない』と強く決意をしていた事も知っている。そして、彼
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