暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第199話 真名
[5/10]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
まぁ バレた所で ゲーム内の連中に伝える事は不可能。……考えたくないが、シノンが無事な以上、何かをしてくるとも思えない」
慌てているキリトと、極めて冷静なリュウキ。本当に対照的な2人だった。それを見てシノンは、苦笑して。
「大丈夫、大声で叫ばない限りは音声は拾わない。そんな小声まで拾ってたら、銃声が鳴り響いた時、向こうじゃ 壮絶な音響が響いちゃうしね。――いっそ、手でも振ったら?」
そして、少し、ほんの少しだけ 声のボリュームを下げながら続けた。
「……それに、この映像を見られて困る相手でも、いるの?」
これは、キリトではなく、リュウキに対しての言葉だった。密着しているのはリュウキだから、といえばそうだろう。リュウキは、眼をパチパチ、と瞬きをさせながら 考える。
「ん…… 困る? 何故だ?」
わかっていない様に 首をかしげるリュウキ。それを訊いたシノンは どう反応して、表現していいのか 判らなかった。彼女はそこまではまだ、考えていなかったが、ここでの100点満点の回答は『いない』に限るだろう。だけど、彼女はリュウキと言う男の性質を知らなかったから。
「あー…… あのな? りゅーき君、盛大にヤキモチ妬かれる姿が目に浮かぶんだが……。そりゃもう、これまでで、トップクラスの」
頭をかきながらそう言うキリト。この時ばかりは、成長しきっていない弟を見ている気分になる。リュウキも、色々と経験をしてきているから、判る筈だと思っていたのに、と苦言を思う。
「………」
シノンは、複雑だった。
……正直な所、この世界で出会っただけの相手。そんな思いいれをする方が、客観的にはどうかと思うし、以前までの自分だったら特にだ。
……だけど、そんな単純な事じゃない。自身の過去を知っても尚、迷う事なく、『手くらい、幾らでも繋いでやる』と言ってくれて、掴んでくれたんだから。
でも、この世界でいる以上、今はどうしようもない。
「何言ってるんだ? まぁ……、そう言われれば確かにそう思うが、考えても見ろ。今のアバターは オレとは程遠いだろ?」
「あ、そう言えばそうだった。……って事は、 シノンの方が厄介な事になるんじゃないか? ここにいるのは……その、3人とも女の子って 認識されてるんだし………」
自分で言っても本当に複雑な事を口にしているキリト。今大会が始まる前に、『すぅぱぁ・がぁる』等という、実際には、不名誉極まりない言葉を受けたのだから。
シノンも当然ながら、それに改めて気づいた。確かに言われればその通りだ。複雑なのは変わりない事だが、いずれ厄介な弁明を強いられることになるのも複雑だ。
だけど、全ては今 無事にこの状況を乗り切ってからだ、とシノンは短く鼻を鳴らしていっ
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ