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ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第199話 真名
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体温に、だろう。
そして、心の奥にまだ引っかかっている感覚。はっきりと判った訳じゃない。もどかしい感覚。それも、何処か自分自身に心地よさを与えていた。判らないのに、そう思ってしまう。まるで矛盾だった。
シノンは、微笑みを浮かべながら 再び 今度は意識して リュウキの身体に自身を預けた。直ぐにでも、敵が来るかもしれない。……死銃だけじゃなく、他にもまだ生き残りがいるかもしれない。その連中が ここに
手榴弾
(
グレネード
)
を投げてこない保証なんて何処にもないんだ。
だけど、根拠は無いに等しいけれど 安心が出来る。
決行まであと数分。……この温もりを感じていられるまでの短い時間。今の精神状態を維持できるかどうか、判らない。
――だからせめて、後少し、ほんの少しの時間だけでも、温もりを感じたい。
シノンは、そう思っていたのだ。
リュウキ自身も、勿論 シノンが寄りかかってきている事には気付いている。震えはもう収まってはいるものの、これから相対する相手を考えたら、また 震えてしまうかもしれない、と言う気持ちがあるのだろう。
リュウキも その畏れに関しては判るから、だから シノンに応える様に再び包み込んだ。
ぎこちなさは、あるだろう、上手く出来ているかは判らない。それでも 傍にいる事で少しでも 救われるなら、と。
そんな時だ。再び『オレ、空気になるんだろうなぁ……数分だけど』と思っていたキリトは、ある事に気づく。
「あの……、2人とも」
なんと、こんな状態の2人に話しかけたのだ。確かにさっきまで会話はしていたとは言え、シフトチェンジをしかけている状況で、今回はキリトが話をしだした。勿論、それには理由がある。
宙に、何かが漂っているのに気づいたからだ。今さっき気づけた。
「これって、なんだ? この飛んでるの。……それに、視界の右下に、へんな赤いマルが点滅してるし……」
「え……?」
「ん、本当だな。……これは」
シノンは、反射的に キリトが言う場所を、頭上を見上げた。そこに浮遊している
モノ
(
・・
)
を見て 思わずリュウキから、飛び退こうとしたのだが、もう今更無駄だろう、と考えてため息をついていた。
「ああ……しまった、油断したなぁ……」
頭上に浮いているモノ、それは奇妙な水色の同心円だった。実体ではなく、ゲーム的な単色発光オブジェクト。悪意の類は無い事は直ぐに2人とも判った様で、慌てた様子は無かった。
「ライブ中継カメラよ。普通は戦闘中のプレイヤーしか追わないんだけど、残り人数が少なくなってきたから、こんな所にまで来たのね」
「ええ! そ、それは不味くないか? オレ達の会話が……」
「確かに、ゲーム内のプレイヤーには発信してないと思うが……。
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