暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第199話 真名
[3/10]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
方になるかもしれないし、相手に関しては分けておかない方が良い気がするけど」

 そう、この戦いは基本的にソロの遭遇戦だ。一緒に行動をしていれば、確かにほぼ100%遭遇するだろう。だが、遊撃に回ると言う事は 云わば自由に動くと言う事だ。だから 必ずしも 決めた相手と遭遇する訳ではないのだ。

「問題ない。キリトなら、どちらが相手でも 勝てる」
「……オレも同意見だ」

 2人が互いに笑い合うその姿。そこには 本当に信頼していると言う事がよく判ると言うものだった。シノンは、それが 羨ましくも思えた。……今回は 本当に 心からそう思える事が出来たんだ。 己の過去も、全てを抱えたままで 本当に……。だから、シノンは穏やかな表情をしていた。

「……ふふ。まぁ、どっちが当たるか 判らないけど、狙撃手(スナイパー)の方の死銃の最初の一発で、一撃死とかはやめてよね」

 確かに戦闘力は凄まじい。だが、射程外からの 凶悪なあの狙撃銃(サイレント・アサシン)の弾丸を受けてしまえば、一撃死してしまっても不思議ではないのだ。そして、最大の強みでもある、その異名の通り、《サイレント》 即ち消音器(サプレッサー)の装備による無音の一撃。
 気づく間もなく攻撃を受けてしまうのだ。

「ゔ……」
「それに関しては 大丈夫だ」

 実に対照的な反応を見せてくれた2人。それを見て、シノンは思わず軽く吹いてしまった。

「あっちゃあ、あんたの相棒、自信ないみたいよ?」

 手を口元に当てながら軽く笑うシノン。

「うぅ……、シノンは知らないだろうが、こいつの眼は異常なんだって……」
「はぁ。異常な反射、反応速度をしてる癖に、何言ってんだ。できるだろ? キリトも十分。っと言うか、さっきは『任せてくれ』って言ったよな?」
「ど、努力はするけど、リュウキの様な100%の自信が持てないってだけで……、アイツのライフル 音無いんだし、最初は予測線だって、見えないんだし」

 そこまでの話を訊いた所で、シノンは言う。

「何言ってるのよ。その予測線を予測する、とか言ってた癖に。あれはどこの誰だったのかしら?」

 笑いながらそう言うシノン。

 だけど、今は本当に不思議だ。
 シノンはリュウキと密着したまま その温もりを感じたままでいて、こうやって、キリトも含めたやり取りをしている。背中に付きまとう怖れも僅かに遠ざかるようだった。

――……現実世界の自分の部屋に、殺人者が侵入しているかもしれない――と言う あまりにも恐ろしい推測からは、正直ただ眼を逸らし、考えない様にしているだけだ。

 死銃を倒せば、奴らは何もできない、と言う彼の言葉を信じ、いまは只管にしがみつくしかない。いや、それは 言葉だけじゃない。触れ合う仮想の
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ