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大統領の日常
本編
第三十九話 首都戦7
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第十二艦隊。陸軍第一から第四軍団。海第一主力艦隊及び第一機動艦隊、以上です」
飛空第十二艦隊といえば先月に新設されたばかりの艦隊。司令官も帝国から亡命してきた貴族の子孫だった。ペルシャール大統領でなければ到底ありえなかった人事だったろう。大統領はいつも常識はずれな政策ばかり取ってきた。しかし、そのすべてが市民が求めていた最良のものだった。
「首都防衛はこの際綱領に入れなくていい。今言った中で陸軍第四軍団を除くすべての部隊ををロサンゼルスに向かわせろ。可及的速やかに、だ」
「・・・司令官はケーニッツ元帥を?」
「できるのであれば」
「了解しました。ただちに準備いたします。至急会議を開かねばなりませんので、失礼させていただきます」
そういうと、元帥は早足で会議室を出て行った。


西暦2115年 11月 13日
ティレーナ・クリスチアン


大統領が出て行って約3週間が過ぎた。

今は大統領の自宅で、リアスちゃんたちの面倒を見ている。
大統領が長期間帰ってこれないときは、いつも私が家に来て代わりに面倒を見ることにしている。
今まで長期間かえれなかったことといえば、ハワイ諸島に出撃居て行った以来2回目。1回目は数日すると心配になって落ち着かない様子だったが、さすがに2回目になるとある程度なれたようだった。しかし、約1か月もたつとさすがに不安になるようで、たまに”ペルシャールさん大丈夫かな?”と、訪ねてくる。
そのたびに私は笑顔で答えているが、私自身も不安を覚えてきた。

私が食器洗いをしていると端末からチャイム音が聞こえた。端末を操作して玄関に立っている人の顔を確認する。大統領の自宅周辺は、厳重な警備がされているが、万が一ということもあるので、必ず確認するようにしている。ちなみに大統領は、確認せずに出ることが多いらしい。

顔を確認すると、アイフェーン元帥の副官、プロビンス中佐だった。
急いで玄関に向かい、ドアを開けた。

「アイフェーン元帥の副官を務めているプロビンス中佐であります。ご報告したいことがあり、やってまいりました」
「そうですか、では中へどうぞ」
私がドアを大きく開けて中佐を招き入れようとすると、中佐が止めた。
「いえ、できればその・・・」
中佐が視線を私ではなくさらに後ろに向けた。私もそれにつられて振り返ると、そこにはリアスちゃんたちが隠れるようにこちらを見ていた。こちらを見ているのがわかると、3人は顔を引込めた。
「わかりました。出は外で」
私は玄関を出てドアを閉めると、再び中佐の方を見た。

「落ち着いて聞いていただきたいのですが・・・ペルシャール大統領がガルメチアス帝国首都ロサンゼルスに行っていることはご存知でしょうか」
私が”はい”と答えると、中佐が傾いて話を続けた。

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