12部分:第十二章
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」
「ああ、それだけさ」
「悪いが倒させてもらう」
二人はまた言った。
「今ここでな」
「覚悟してもらう」
「わしを倒すというのか」
画伯は二人の今の言葉を聞いてまた述べたのだった。
「このわしを」
「さっき言った通りさ」
「こちらもその為に」
二人はここでそれぞれ何かを出してきた。それは日本刀であった。
「こうしたものを用意してきたんでな」
「只の刀ではない」
間はその刀を両手で構えながら画伯に対して述べた。
「退魔の剣だ」
「退魔か」
「その通りだ。これでその命、絶たせてもらう」
「あんたのその邪悪になっちまった命をな」
「さらに面白いのう」
画伯は二人のその言葉を聞いても邪悪な笑みを消さなかった。消さないどころかその寂差をさらに高めさせ哄笑さえしているのであった。
「そこまで自信に満ちてわしを倒すとはのう」
「間さん」
相模がここで一歩前に出て間に声をかけてきた。
「俺が鬼を引き受けますんで」
「君がか」
「間さんは画伯を御願いしますね」
「わかった」
「これで終わりってわけじゃないでしょうけれどね」
「それはわかっている」
静かに答える間だった。
「それはな」
「鬼を倒せば俺もすぐに行きますんで」
「頼むぞ」
今度は真剣な顔で答える間だった。
「それはな」
「ええ。そういうことで」
「覚悟するのは主等じゃ」
画伯はあらためて二人に告げてきたのだった。
「それはのう」
「またその絵で何かを出してくるつもりか」
「如何にも」
それが彼の考えであった。
「その通りじゃよ」
その言葉が終わるか終わらないかのうちに早速また出してきた。今度は土蜘蛛であった。
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