第八話:非日常への第一歩
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とロザリンド様でね! キキたんとロザリンド様がアタシの前に現れてくれたの! 妄想が現実になったの! もう嬉しくてたまんにゃぃ……」
この馬鹿に説明を求めた俺が馬鹿だったのだろうか。 ……コイツはまともに説明をする事すら出来ないらしい。
アタシのがどうだの言われても、俺は何から始まってこの状況に至ったのか、皆目見当がつかないのであり、先に提示した応えもこじ付けなので、俺は真実が知りたいのだ。
その答えがコレって……。
だが、呑み込む事も受け入れる事もしきれないまま、状況は更に進んで行く。
「あら……あらあらあら、コレは本当にまぁ……こんな事あっていいのかしら?」
露出度の高い青いチャイナドレスを着た、三体目の人型が現れたのだ。
スタイル抜群の金髪美女だが、今はそんな事如何でもいい。いい加減この奇奇怪怪な事象に、誰でもいいからピリオドを打って欲しい。
「ふぅ、現世の夏はこんなに暑かったかしら?」
胸元をパタパタ仰ぎながら “現世” という、また気になる単語を呟き、ロザリンドと同じ翼を広げて彼女も空中へ躍り出る。
「うぇへへへへへへぇ……アイシャ姉様の上乳眼福だぁ……うぇヘヘヘヘヘ」
「あらあら……わたくし、はしたなかったかしら?」
「いえいえ〜、そのままでもいいですよぉアイシャ様ぁ、下から紐パンぼへっ!」
涎を垂らしてアイシャと呼ばれた、青チャイナ女の下に回り込もうとする楓子を、俺は決して三体から目を放さぬまま、無言且つ真顔で蹴り飛ばす。
三体が揃い、何やら話し始めた。
「でも、これで念願の同人誌作りが出来るわ。でもやり方を知らないの。お二方は知りません?」
「ボクは読む方専門だからね。そう言うのは何とも言えないな」
「専門家でも捕まえればいいんじゃないの? その方が手っ取り早いしさ」
『同人誌』――――それはおおよそ、異質の存在に似合わない言葉。
せめて楓子に状況判断力と、まともな説明をする能力があればいいのだが、未だにニヘラァと笑っており、話しかけても碌な答えが返ってこなさそうだ。
親父が戻るまで、自分で考えながら待つしかない。
先の単語からするに、彼女等が異世界からの使者だと言う線は考えにくい。だとするともう残っている答えが無いのだが、ヒントならまだ存在している。
キキとかいう奴が言っていた “力” の事だ。
今日この日初めて力を得た様な言い様、そして死神と言う単語に自由の身だと言い放った事、同人誌などといった、ごく日常的な言葉も入れると……突拍子もない事だが―――
“彼女等は元々
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