第八話:非日常への第一歩
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けたたましい奇声が聞こえ、火焔の幕をぶち破り火の粉をまき散らして何かが飛び出して来る。
「アーッハハハハハハァ!! ザマーミロ! ザマーミロってのよ! これで死神共ともオサラバだわ! アハハハッ!!」
飛びだして来た物体は、これまた普通は有り得ない紫がかった銀髪を持つ、黒マントを着こんだ幼げな少女だった。
どちらかと言うと羽毛のあるコウモリと言った感じの翼を広げ、彼女もまた宙空へと駆け上がっていく。
「イヤッッフウウウウウウゥゥゥゥゥゥゥ! でたでたでたああああっ! 我等がアイドルキキたァァァん!!」
「……知ってるのか?」
「何言ってるのよ兄ちゃん! 彼女こそキケロクロット=ナイトメア! 愛称 “キキたん” でしょうが! どう見ても!」
「……は?」
コイツ好みの非現実的な展開と、目の前に広がるとんでもない光景に、とうとう楓子の頭はイカれたらしい。
……いや元からこんな奴だったか。
というよりも、何故俺にその話が通じると思ったのだろうか。つーか……『でしょうが!』って、俺が知っている事前提で言うのは止めて欲しい。
だが、それよりも気になる単語があった―――― “死神” がどうとか、あのキキとかいう幼女は叫んでたが……。
そして無理矢理頭でこの状況に正解を出すとしても、炎を媒介とし扉となって、異世界と繋がってしまい、とんでもない奴等が飛び出してきているぐらいしか考えられないのに……何故楓子が名前を知っているのだろうか?
「自由よ! キキはもう自由なのよ! この力を使って好き勝手してやるわ! 暴れてやるんだからっ!」
「何……!」
聞き捨てならない単語が次々と狂笑の中でまくしたてられ、そして薄々感じてはいたがやはり此方も名前が一致しており、俺は眉をひそめざるを得ない。
自由とはどういう事だ? 死神と何か関係があるのか?
そして “この力” を使ってとはどういう事か……まるでその言い方だと、今さっき力を得た様なものいいとなるが……?
暴れるとは? 文字通り破壊するのか、それとも何かの比喩なのか?
「まだボクの出番は終わっていない! 勝手に割り込んでくるのは止めたまえ!」
「何言ってんのあんた? 何であんたなんかに付き合わないといけないわけ?」
何時の間にやら上空で喧嘩しだした、烏羽の赤髪と蝙蝠羽の銀髪。
聞きたい事など山ほどあるが、位置が位置だけに声が届きにくく、お互いに口げんかを始めたので此方へは意識を向けていないし、更に正体が分からない以上、下手に刺激も出来ない。
「楓子、何でお前があいつ等を知っている? 何があったんだ?」
「彼女等はあたしのキキたん
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