第3章 リーザス陥落
第52話 鍵はチューリップ3号?
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があるとは言っていたが所詮は一般人。それに、死ぬよりも辛い事など、軍人であれば心得ているのだから。
「父上……バレス総大将も宜しいでしょうか」
「うむ」
バレスも頷く。
他にも目の前の驚異……レッドの町のヘルマン軍勢の事もあるが、そちらにも意識を向けなければならないのだ。否定する理由が全くない。
「エクス将軍」
ユーリは、考え込む彼に声をかけた。大体、何を考えているか理解した様だ
「彼女は、色々と問題を起こした、だが、それでも彼女は一般人だ。手荒な真似は極力しないでもらいたい」
「……そうですね。僕も女性を手にかける様な事をしたくはありません。……ですが、聖武具はリーザスの宝であり、何よりも魔人に対抗する鍵でもある。……万が一の時には、最悪の選択を取らざるを得ません」
「……そうならない様に願うまでだな」
「……そうですよね(あのバカのせいで……もうっ!)」
あれだけ愛し合っていた2人だ。
もう一度くらいなら、引き合っても良いじゃないかと思える。運命などはないと信じているユーリだから、彼の事を信じた様だ。あの時に言った必ず人間になって戻ってくると言った言葉を。
かなみも、あの時ばかりは 頭に来るモノがあったが、あの純愛を目の当たりにしている者としては……、その最悪の選択を快くは思わない。だから、特に思うのはあの時面倒な事をしでかしてくれたもう1人の男の事だった。
そして、その後は軽く挨拶をすると、ユーリとかなみは司令本部から出ていき、マリアの元へと向かった。
この場に、残っているのはリーザス軍の3人。
「ユーリ殿がリックを虜にしてしまった剣士だったのか……」
「僕は別段驚きませんでしたがね」
バレスの呟きに反応したのはエクスだった。その言葉にハウレーンが疑問を投げかけた。
「それは何故ですか? エクス将軍」
「……以前に、少なからずマリス殿に聞いていた事もありますし、それに……、これは恐らくバレス殿も感じていると思いますが、かの戦場で僕は立ち会っているのですよ。彼と」
エクスの言葉にバレスも頷く。
あの場で、曖昧ながら記憶が残っているのはバレスだけではなかったという事だ。
「2人がかりだと言うのに……、我々は物の見事にやられてしまいました。完敗と言う言葉があれ程似合う状態は無いでしょうね。……今考えたら、リック殿が惚れ込むのもよくわかります。こう言う職についてますから……確かに、僕は情報戦を得意としてて、強さのジャンルも少し違うと思いますが……どうしても憧れるんですよ。《強い者》には。正直に言えば、僕は、ぶっちゃけここで会った時から、彼を抱きしめたかったくらいですよ」
そう言って苦笑いをしていた。バレスも
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