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ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜銃声と硝煙の輪舞〜
対峙
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いう音がレンの真下。足元のアスファルトから噴き上がる。
「――――ッ!」
視認すらも難しい速度で黒い地面を突き破って現れたのは、黄緑に輝く細い茨だ。いや、あまりにも細すぎて、はたから見れば少し太い有刺鉄線という感じだろうか。
茨のツタは少年の小柄な体躯に瞬く間に取りつき、その動きを封じる。
レンは悪態をつきながらも自らの身体に過剰光を纏わせ、一刻も早く払おうとするが、締め付ける茨の線は喰い込みこそすれ、離れる気配は一向にない。
もがく少年に対し、うっとりと、どこか背筋をゾッとさせるような、恍惚としたものを内包した声が投げかけられる。
「さぁ……最終段階だ」
同時。
先に戦闘していたユウキが吹き飛ばされたビルの一階。わだかまる暗闇のせいで見通せないそこから、甲高い悲鳴が炸裂した。
誰のものか、問うまでもない。
レンは、頭蓋骨の裏側で脳が沸騰したかと思った。
ギヂリ、とこれまでのもがきとはまったく違う音を茨から発せさせながら、少年は静かに口を開く。
「お前……何した……」
返答はない。
答えは、嗤い。
それだけで、事足りた。
後先すら考えていない、掛け値なしの全力で《冥王》が戦闘を開始する――――寸前。
じゃりっという紛れもない足音が、少年を静止させる。
その出処。
「ユウキねー…ちゃ……」
勢いよく出た声。しかしその声は出た時と同じ勢いで減速し、消滅した。
暗がりから姿を現した従姉の両腕には、禍々しい瘴気が貼りついていたのだから。
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