1 3人だけの戦い
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ぇ〜!?」
自分としては胸に攻撃を受けた記憶はなかった。
しかし事実として、自分の豊満な胸が無防備にも白日の下に曝け出されていた。
理由は見当もつかなかったが、とにかく慌てて胸を押さえた。
その姿を見てバルーンプラスは大爆笑だ。
ギャラリーも完全に演出だと思い込んで、アオイの胸に大盛り上がりだ。
アオイは反射的に顔を赤くして、両手で胸をギュっと押さえた。
派手に動くと乳房が零れ落ちそうになる。戦えないわけではないが恥ずかしい気持ちが勝って、躊躇してしまった。
「どうだ? そんな恰好でオレを倒せるのか?」
バルーンプラスはそう言ってはいたが、すでにその視線は完全にアオイに向いてはいなかった。
その目線の先には桃子がいた。
アオイとしても恥ずかしがっている場合ではないのだが、なかなか一歩が踏み出せない自分をよそに桃子にピンチが迫っていた。
「ははは……」
桃子もその視線を感じ完全に冷や汗をかいていた。
悪い予感がする。
気づけばステージの前はギャラリーに埋め尽くされている。
「今日は平日よ! なんでこんなに人がいるのよ〜っ!?」
こんなに多くの人の前で胸を曝け出すなんて、絶対に避けたかった。
当然、恥ずかしいということもある。何と言っても、まだ花も恥じらう中学生だ。
それなら逃げればいいだけだが、自分まであんな状態になってしまっては怪人を退治する人間がいなくなってしまう。
健太が都合よくこの場に現れてくれればいいが、そうなる保証はない。それどころかその可能性がほとんどないことはよくわかっていた。
今は恐らく受験勉強の真っ最中だ。そしてこの上ないくらい集中しているはずだ。
奇跡が起きる可能性は絶望的なのだ。
ということは、つまり……
自分がなんとかするしかない!
だからと言って早計に攻撃を仕掛けるわけにはいかない。
いきなり攻撃をしたところで2人の二の前になることは見えていた。
まずは自分がすることは心を落ち着かせることだ。
相手を分析して、冷静に対策を考えなければいけない。
現状、アオイの動きは完全に止まっている。
バルーンプラスの攻撃は自分を標的にしている。それは確実だろう。
それなら、と怪人の動きに注意を払いながらも、今までの行動を思い返してみた。
確かに俊敏な動きは見せている。
しかし、攻撃らしい攻撃は手から出すコスチュームを粉みじんにする不思議な力だけだった。
アオイにはヒットしていなかったが手を取り押さえた状況でコスチュームが破裂した。
それはつまり、あの手に触れることこそが危険だ。ということかもしれなかった。
それならどうする?
今まで飛び道具系の攻撃は一切見られない。
もちろんまだ出していないだけかもしれないが、あったとしてもここまで隠しているのだ、奥の手に
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