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ウイングマン バルーンプラス編
1 3人だけの戦い
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ていいわけもない。
自分が恥ずかしがって身動きができない間、桃子は体を張って戦ってくれたのだ。
そして今も、生パンツを晒しながら戦ってくれている。
アオイも片手で胸を隠しながらディメンションビームで応戦している。
自分だけが身を隠して傍観しているわけにはいかないのだ。
不幸中の幸いとでも言うか、美紅を見ているギャラリーもずいぶんと少なくなっていた。
今がチャンスかもしれない。
立ち上がるためには片手で胸を隠しながらやるのは難しい。
もちろん不可能ではないかもしれないが、バランスを崩せば胸を露わにした上に、また一からやり直し、という事態もかなりの確率で想定される。
ここは一瞬は恥ずかしいかもしれないが素直に両手を使って短時間で立ち上がることがベストな選択に思えた。
それに、ここにいる人たちにはすでに見られているのだ。
美紅は意を決した。
「今なら!」
今まで隠していた胸から手を離した。
そして、両手の手のひらをステージにつけた。
ちょうど腕立て伏せから体を起こすように腕を伸ばすと、目の前のギャラリーに見える位置に美紅の胸の先端が顔を出した。
「おおおおおおっ!」
それを目の当たりにしたギャラリーは興奮と共に声を上げた。
しかし、その人数は少なかったために、それ以上の注目を浴びることはなかった。
少ないとは言え見られるのはもちろん恥ずかしい。
美紅は顔は真っ赤にしながらも、すくっ立ち上がってすぐに片手で胸を隠した。
胸をオープンにしてからの時間は、美紅にとってはとても長い時間に感じた。しかし、実際のところ5秒とかかっていなかった。その素早い行動は、ほとんどの人には気づかれず、バルーンプラスもその気配すら感じていなかった。

立ち上がった美紅は、すぐさまバルーンプラスに向けて、ディメンションビームを放った。
早くこの戦いを終わらせたい一心だった。
「ぎゃああああっ!?」
ノーマークだった美紅の攻撃は見事に命中した。
バルーンプラスは背中に衝撃を受け、そのまま吹っ飛ばされた。
そのダメージでバルーンプラスの動きが一瞬止まった。
「お、お!?」
アオイは驚いた。今までの敵よりもダメージを受けているように感じた。
動きの素早さばかりに目がいっていたが、この怪人は意外に耐久性はないのかもしれないと考えた。
「こいつ、もしかして弱いの?」




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