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ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第198話 戦う勇気
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荒れる戦場で、剣だけで駆け抜けた。その弾丸を躱し、あまつさえは正確に叩き切ったのけたのだ。へカートUをキリトに撃ち込んだらどうなるのか。……当初は考えたくも無いことだったが、『斬られてしまう』と言う光景が鮮明に目の前で浮かんだのだ。
リュウキが『反応速度はキリトに及ぶべくもない』と言っていたから、更にそう連想させたのだろう。
リュウキは、シノンの言葉を訊いて、苦虫を噛み締めた表情をした。
「……確かに、な。アイツ等の事を舐めてる訳じゃない。……SAOの世界でも屈指の実力者だって言っていい連中だったから、な」
「同感だ。絶対の自信はオレも勿論持てないよ。……他に選択肢があるとしたら、出場者が4人になった所を見計らって、自爆する手もあると思うけど……」
キリトは、チラリと時計を見た。シノンもリュウキも殆ど同時に時計の文字盤を覗き込む。
――午後9時40分――
いつの間にか、9時30分の衛生スキャンもスルーしてしまっている様だった。この洞窟に逃れてから25分もの時間が経過した様だ。
「厳しい、な」
リュウキがそう呟いて、シノンも首を左右に振る。
「うん。……多分、私もこのままここに隠れてはいられない。そろそろ、私達がこの砂漠の洞窟に隠れている事は、ほかのプレイヤー達も気付いている。洞窟はそんなに数が無いから。もう、いつグレネードで攻撃されてもおかしくない。寧ろ30分近くも無事だったのは随分運が良いわ」
「そうか……」
キリトは唇を噛み締めた。外に関しては 打ち合せでは 見張りを付ける算段だったが、色々とあって、3人一緒になっている時間が長い。リュウキも時折、外の方を
視て
(
・・
)
いる様だから、とりあえず、今直ぐどうにかなるとは思えないが、有効な手じゃなく、死路だと言う事は理解出来た。
「キリトとリュウキは、コンビを組んで、アイツ等と戦うつもり、だったんでしょ?」
「ああ」
「うん、そうだな」
シノンは、それを訊いて ゆっくりと身体を起こした。
「そこに、私が加わる。……ここまで来たんだから。最後まで3人で戦う」
「だが、万が一にでも……」
「そうだよ。……もし、撃たれたら」
「あんなの、所詮は旧式のシングルアクションだわ」
そんな言葉が自分の口から滑らかに発せられたことにシノンは内心少しばかり驚いていた。
あの銃――《五十四式・
黒星
(
ヘイシン
)
》は長いこと、誌乃を苛む凡ゆる恐怖の象徴だったはずだから。
いや、おそれが消えた訳じゃない。それでもあの時に見た幻覚。……心の中の情景と言えるものを見た時から、彼女の中で 勇気が芽生えてきたのだ。立ち上がる勇気を。戦う事が出来る様にと
彼
(
・
)
からもらったから。
そして、何よりも
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