第21話〜白銀の狼〜
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る。その一つ一つの流麗な動きに、ケインは完成度の高い映像を見ているような心地になった。
「コオォォ・・・ハアアッ!!」
狼による渾身の蹴り上げから、雷撃を伴った氣が放たれる。翡翠の閃光が騎士目がけて直進し、瞬く間にその姿を飲み込んで消えた。黄金の騎士と白銀の狼が対峙するという非常に幻想的な光景であったそれは、狼の勝利で呆気なく幕を閉じることとなった。
「美しい・・・フフ、君にとってはいささか満足のいかない結果だったようだが」
「・・・そうですね。まあ、お兄ちゃんはこれぐらいでは負けないでしょうけど」
「なるほど。少々物足りないが、今回はこのぐらいにしておくとしよう」
「はい。次は、必ず・・・!」
(?人の気配が・・・2人か?何もしてこないみたいだけど)
「ケイン、どうかしたのか?」
もとの姿に戻ったアレスを漠然と眺めながら、何者かの殺気を察知したケイン。しかし、それは一瞬のことで気配自体が消えてしまっていた。
「平気だよ・・・お疲れ。ひとまず俺たちもみんなと合流しようぜ」
「ああ、そうするとしよう」
そんな彼の様子を見かねてか、アレスに調子を尋ねられるが、ケインは何でもないように振舞う。様々な人間の思惑が交錯する高原の地で、彼らは再び馬を走らせるのだった。
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