エピソード38 〜試練その2〜
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先輩である叢雲 翠に見送られ、デュエルアカデミアを去ったあの日から、早くも数週間。しかし、どんな運命の巡り合わせか、デュエルアカデミア ノース校に居た。
そして、そこで待ち受けていたのはノース校の全生徒50人とのデュエル。万丈目は50人抜きという大挙を成し遂げると一年生ながもノース校のトップへと君臨したのだった。
回想終わり、と一つため息を吐くと用意しておいた飲み物を口にし、椅子へと腰掛ける。
「今思い返せば、中々波乱万丈な出来事だったな」
書籍化でもするかーなどと頭の片隅で考えつつ、今から何をしようかと予定を組み立てて行く。
すでにお昼は過ぎているが何かするにしても遅くはない。とりあえず引きこもってばかりいないで外に出るかと思い立ち、扉を開けた途端、外に広がる惨状に唖然とする。
「な、なん、だ……これは??」
地面に倒れ伏す者、建物の壁に頭から突き刺さっている者、山積みとなり屍の山を築いている者達。死屍累々の惨状の要因となっている彼らの共通点は全員ノース校の制服を着ている事だ。そして、そんな環境に不釣合いな、純白のドレスを着込んだ女性がただ一人立っていた。
「なっ……??」
一体どんなバイオで、ハザードな事件が??などと混乱する思考もあの女性が万丈目の存在に気付き、向けられた笑顔によって停止させられる。
此方に気づき、笑顔を向けているのは、透き通るような銀糸を持った女性だった。
丸みを帯びなからも、それを感じさせないほどのプロポーションを有し、快活なようでどこか甘さを漂わせる、男が描く理想の女性像に思わず目を奪われる。しかし、それよりも注目させたのが、その左腕に装着された決闘盤である。
純白を基調したドレスにその漆黒の色は存在感を放つと共に彼女がプロデュエリストであることを証明している。
そして、デュエリスト多しと言えども、白いドレスに、銀髪、美少女のプロデュエリストと言えば、万丈目は一人しか知らない。
「み、帝、光……??」
「お?やっぱり、万丈目くんだね?」
なんか雰囲気変わってない?と友人に話しかけるような調子で話しかけてくる光プロ。しかし、万丈目自身、彼女とそんな間柄になったところが、一度も会話したことはないはず。
なら、なぜ?と疑問を抱くと共にあの透き通るような笑顔に既視感を感じる。
「まさか……、翠先輩……なのか?」
アカデミアを去ったあの日、力強い言葉と共に自分を送り出してくれたあの先輩がプロデュエリストとして目の前に現れ、目に見えて動揺する。
『お、よかったね〜、ちゃんと気づいてもらえて〜』
「そりゃあそうでしょ。これでも、容姿には、自信ありますから」
そして、動揺しているのも束の間、凜とした声音を響かせ、現
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