エピソード38 〜試練その2〜
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れた女性に驚嘆させられる。そして声の主に対し、豊満な胸を張り、自信ありげに答える翠。
半ば呆然としながら、二人のやり取りを眺めているとまたしても不意に声がかけられる。
『兄貴ー、あれってば精霊じゃないの〜?』
「あ、あぁ……完全に『アテナ』だな……」
万丈目がアカデミアを去ってから増えた仲間である『おジャマ・イエロー』はカードから抜け出すとふわふわと万丈目の周りを浮遊し始める。
そして、翠も『おジャマ・イエロー』の存在に気がついたのか見つけるなり目を丸くしてそれを見つめる。
「へぇ〜、万丈目くんも視えるんだね?」
「えぇ、まあ。俺自身、視えた時は頭がおかしくなったと思いましたよ……」
横目で『おジャマ・イエロー』を見つつ、皮肉を込めて口にすると、『あらやだぁ、頭が可笑しいのは、初めからじゃない』などと小馬鹿にしたような返答が速攻で返ってきて、捕まえ、ギリギリと片手で締め上げる。例え、無駄だとわかっていても。
ポフンと煙を立てて、消えたのを確認するとようやく本題を切り出す。
すなわち、
ーーなぜあなたが此処にいるのか?
「その質問にはわたしが答えよう!」
冴えない親父……、ではなく、此処の校長である一之瀬が現れ、光 プロでもある翠に一礼をし、淡々と理由を語っていく。
つまり、親善決闘は学校対抗ではなく、タッグデュエルとなり、より強大な敵と闘う。
「強大な敵って……」
「ふふん、ズバリーー」
そう疑問を口にした万丈目をズビシと効果音がつきそうな勢いで指差し、自信ありげな表情を浮かべる翠。
「ーー私の弟でもあり、プロデュエリストの、望月 シオンだ!」
「なっ!?」
その人名を耳にした途端、万丈目に衝撃が走る。望月シオンと言えば、デュエリストなら誰もが知っている名前であり、DDやDr.コレクター、帝 光と並ぶトップランカーである。
そして、叢雲 翠の弟、叢雲 紫苑と言えば、入学早々万丈目をワンターンキルした奴である。
翠は万丈目のリアクションに納得がいったのかふふんと楽しげに笑うと、さらに説明を補足していく。
「ついでに万丈目くんがタッグを組むのは本校の方の代表生徒、十代くんだよ」
「っ!十代だと!」
またしても因縁のある人物に驚愕する。
偶然通り越して、もはや運命だななどと柄にもなく思ってしまう。それと同時に遊城 十代と組むのも悪くないと考える万丈目がそこにいた。そして、何よりトップランカーとデュエルできるまたとない機会である事に、万丈目は歓喜し隠しきれない喜びが表情に出る。
「ふふっ、嬉しそうだね〜」
「当たり前だ。前回はワンキルされたが、今の俺は昔とは違うという事を見せてやれるチャンスだ。それに、十代と組まされるのは多少不服だが、あいつな
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