暁 〜小説投稿サイト〜
DIGIMONSTORY CYBERSLEUTH 〜我が身は誰かの為に〜
Chapter2「父を探して 山科悠子の依頼」
Story7:初仕事はご近所回り
[4/8]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
御神楽さんの説明によると……
先程触っていた右手―――詳しくはその右手にいつもはめていたグローブで、物質的なものをスキャンすることで、対象を「半電脳化して取得することができる」機能らしい。
これによって、現実世界で手に入れたものを「データとして電脳世界に持ち込める」のだと。
「……え、それってすごいことじゃないですか!?」
「取得したデータは、あなたが腰に付けている『それ』―――その『かばん(ストレージ)』に格納されるわ
本当に…便利な世の中になったものね」
「……それ、世の中のせいじゃないんじゃ…?」
そう言うと、御神楽さんは呆れた表情を浮かべ、首を左右に振った。
「これくらいのことでいちいち驚かないで欲しいわ。今後も、あなたの身には次々と―――」
そこまで言い終えて、御神楽さんは小さく笑みを浮かべ、再び首を振った。
「…いえ、未来(さき)のことは知らない方がいいわね。すべては定められた運命が導くままに…ね。ここからコネクトジャンプすれば、デジラボに直接来られるようにしておくわ。私に用があるときは、いつでも来なさい」
「は、はい…わかりました」
俺の返事を聞くと、彼女は笑みを消し自分のメガネに手を添えた。
「この世界はデジタルとの境界線が希薄になっているようね…。私があなたと現実世界で出会えたのも、その証明の一つだわ。
でもそれは、決して世界にとって良い出来事ではないはず……きっとこれから起こる災厄の兆しの前兆ね。あなたとの出会いが、この世界の希望の光となると良いのだけれど……」
「災厄の…兆しの、前兆…? 世界の、希望の光…?」
なんか話が壮大になってきたような……
「フフ…この世界は私を楽しませてくれるのかしら? それじゃ…“いつもの場所(デジラボ)”で会いましょう」
そう言うと笑みを浮かべ、彼女は相談屋の奥へと消えようとする。
「―――ちょっと、待ってくれませんか?」
だがその前に、俺が御神楽さんを引き留めた。
彼女は素直に立ち止まり、踵を返した。どうしても、これだけは聞いておきたい。
「あなたは……何者なんですか?」
俺の、真剣な質問に、彼女は笑みを浮かべたまま口を開いた。
「フフッ、私は人よりちょっと電脳世界の構造に詳しいだけ。それに……あまり女性の秘密を知りたがるのは、感心しないわね。紳士のすることじゃないわよ?」
「うッ……」
「フフ……それじゃ、また会いましょう」
彼女はそう言って、再び踵を返しお店の奥へと消えていった。
女性の秘密、ねぇ……“A secret makes a woman woman.”っ
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ