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ソードアートオンライン 黒紅の騎士と紫紺の剣姫
デスゲームへのカウントダウン
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思わなくて・・・」
キリトが遠い目をして呟くとクラインが更に凹んで草原に倒れていた。キリトが無意識に止めを刺したようだ。
(こいつ、ボスじゃなくて人にもラストアタックやりやがったよ)
「まぁ、いいか。クライン、どうだここでフレンド登録しておくか?」
「わりぃ。5時半にピザの出前頼んであんだよ。だから、そろそろおちー・・・ってあれ?」
クラインが少し申し訳なさそうに言って右手をフリップしたまま固まり目をハッとさせて詰め寄ってきた。
「はぁ?ログアウトボタンが消えた?どれ・・・・・まじだ」
彼の言う通りメニュー画面からログアウトボタンが消えていた。
「クライン、お前一人暮らしか?」
「ああ、俺のテリマヨとジンジャーエールがぁぁぁぁ」
彼の耳に、俺の質問は届いていないらしい。だが出前を頼む辺り一人暮らしだろう。
「俺は、母さんと妹がいるから夕飯の時には起こしに来るはずだ」
「俺も、姉貴とその親友がいるから大丈夫だろ」
「おぉ!?ランの姉ちゃんとキリトの妹さんて幾つ?」
 突然眼を輝かせ、身を乗り出してきたクラインの頭を、俺は剣の鞘で殴った。
「余裕だな。あんたの期待を裏切るようで悪いが姉貴は、―

突然、リンゴーン、リンゴーンという、鐘のようなーあるいは警告音のような大ボリュームのサウンドが鳴り響いたあと、強制転移という形ではじまりの街の中央広場に戻っていた。
 周りには、眉目秀麗の男女の群れ。全員がSAOプレイヤーで、人数はもし全員がログインしていれば1万人という人間がいることになる。


茅場昌彦は、俺たちにこの世界を現実だという証拠として『手鏡』というアイテムを渡し全プレイヤーの顔を、いや全プレイヤーのリアルの体をそっくりに置き換えた。
 当然、俺の顔も設定した顔からリアルのコンプレックスじみた顔に戻ったしキリトも線の細い女顔に、クラインに至っては顔そのものの造形がまったくの別物に変わっておりまさしく野武士か山賊の装いの顔だった。
(ちっ、これでこれが現実になったわけだ。デスゲーム・・・つくづく、俺はついてねぇな)
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