暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第197話 死の正体
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は現実世界でモデルガンに……、で、でも 後ろから、端末の画面を? そんなの絶対に無理よ。遠近エフェクトだってあるんだし、離れただけで文字が読めなくなる。覗き見る様な行為、速攻でGMにアカウント抹消(BAN)されるだけで」
「……判ってる。アメリカだ。情報漏洩や、ハラスメント関係の対処はかなり厳しくしている。……だが キリトも言っていただろう? 光迷彩と。……これは試した訳じゃないが、あの迷彩。《メタマテリアル光歪曲迷彩》が、街中でも使えるとしたら? 幾ら足跡や足音、僅かな空間の歪みで 確認出来るとは言え、あの薄暗い総督府の中、物陰に入り、使われたら、見えないだろう。……後は双眼鏡なり、スコープなりを使ったら、訳はない」

 リュウキの言葉を訊いて現実味を帯びてくる感覚がキリトはしていた。あの透明マントを連想させて、リュウキの考えにまで、キリトも直ぐに至ったのだ。そして、リュウキが『見えない』とまで断言しているのだ。特殊な目を持っているこの男が断言する以上は、誰も気づく事なんて出来ないだろうと思えるのだ。

「……! た、確かにメニューウインドウに関しては、基本的に他人には無理だけど……、ゲーム内端末なら、タッチパネルモニタは、複数で操作する場合もあるから……、デフォルトでは誰にでも……」

 シノンも その言葉を理解していく。『できなくはない』と確信してしまう。だけど、まだ問題は在るはずだ。
 シノンは、恐らくは認めたくなかった、その言葉を受け入れたくなかった事もあるのだろう。だから、必死に反証を挙げようとした。

「でも、仮に現実世界の住所がわかったとしても、忍び込むのに、鍵はどうするの? だって、家の人だって……」

 その言葉を訊いたリュウキは、軽く首を振った。

「……言ったはずだ。《特定の人物を殺せる》と。これまでの犠牲者、ゼクシード、たらこの両名は1人暮らし。詳細も一応確認していて良かった。《旧式》の電子錠を使ったアパートだった。多分、皆も知ってると思うが、旧式のは危険なんだ。解析された施錠装置もまだ蔓延っている。 ……何よりも、ログインをしている最中に忍び込むんだ。生身の体は完全に無意識状態。家周囲に注意はしているだろうけど、多少侵入に手間取っても気づかれる心配はない」

 リュウキの言葉にシノンは再び息を吸い込む。

 住宅の鍵が、電波式のキーレスエントリー錠に置き換えられたのは、ここ7,8年の事だ。これにより、物理的ピッキングは不可能になったが、初期タイプ、リュウキの言う旧式に関しては、マスターキーならぬ、マスター電波が解析されてしまい、それを開錠する為の装置が、高額でブラックマーケットに出回っているのだ。そのことは、ここにいる誰もが知っている事だろう。大きくニュースに取り上げられたのだから。

 
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