暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第197話 死の正体
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・》だと思っていたから。あの見えない素顔の奥底には、あの狂気が額を、そして赤い血を目に溜め、一筋の血のラインを作る。……まるで、血の涙。呪い、とも言えるだろう。言葉のひとつひとつが呪詛の様に聞こえてくる。かつての記憶を揺り起こしながら。

 そう、あの連中がちゃんと現実に存在する人物だと言う事。過去の亡霊じゃないことを否定して欲しかったのだ。そして、その答えは直ぐに帰ってきた。

 そう……呆気なく。

「……そうだ」
「ああ。元《ラフィン・コフィン》のメンバー。片方は幹部。……そして、もう片方がサブ・リーダー。オレ達は間違いなく刃を合わせてる。……だから、間違いないよ」

 リュウキとキリトの答えを訊いて……、本当に少しだけ ほっとした気がしていた。まだ、命の危険は付き纏っていると言うのに。

「……あいつらのSAO時代の名前。それを思い出せば、現実世界での本名、住所。……全てを突き止められる」
「ああ、正直に言えば、オレ達の真の目的がそれだったんだ。共同戦線、っていったけど。話の胆はそこにあったんだ」

リュウキとキリトの話を訊いて、シノンは改めて眉を寄せる。

「そう……。じゃああいつらは、SAO時代のことが忘れられなくて、また PKをしたくなってGGOに来た……って事?」

 シノンはそう、訊いた。あの世界。剣の世界で狂気に走ったプレイヤー達だと言う事はシノンは理解出来た。そんな世界から、解放された、と言うのに……その味を忘れられなくて、忘れたくなくて、この世界に来た、と思ったのだ。

 その言葉を聴いて、リュウキは首を振った。

「……違う」

 その表情には、何処か怒気さえ醸し出す。シノンはリュウキの顔を見上げる様に見たから、その感情がよく判った。

「え……? 何が違うんだ? オレはそれだけじゃない気はするが……、シノンの考えと同じなんだけど」

 これまでが同じ意見だったから、不思議に思った様だ。同じSAO生還者(サバイバー)であり、そして あの笑う棺桶(ラフィン・コフィン)と刃を交えた間柄、それだけの共通点があった上での事だったから、と言う気持ちも強い。

「あいつらは、ただの犯罪者だ。……あの世界から、本当の意味で帰ってきていない。……確かに、オレの中にまだ剣士だと言う意識はある。……2年もあの世界で暮らしたんだからな。……それを踏まえた上でも、レッドプレイヤーでい続ける理由はただ1つ、だろ?」

 リュウキは、キリトに向かって訊く様に繋げた。嘗て、SAOでも、キリトと共通し合った認識だ。

「……腹ん中から腐ってた奴ら」

 そう、役割を演じる(RPG)世界だといっても、実際に人が死ぬ世界で悪事を働く。……人を殺そうとする様な連中は、現実世界で云わば犯罪者も同
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