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Fate/The All
01:初陣
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はないか」

アーチャーは暫く警戒した後、セイバーが本心で言っている事を確かめると、功の方へと振り向いた。

「あ、アーチャ……」

「阿呆ですか貴方は!?」

「ぐはっ??」

いきなり銃の塚で殴られた。痛い。

「サーヴァントの戦いの横で棒立ちするマスターが何処にいますか??隠れているか、責めて自分を守る事を考えなさい!死なれて損するのは此方なんです!」

「う……煩いな!お前は俺のサーヴァントだ!サーヴァントならサーヴァントらしく、マスターの指示にも従え!」

「碌に戦闘も経験した事が無いようなマスターの指示に従っていれば、幾つ命があっても足りるものですか!貴方は隠れていれば良いと事前に言った筈です!」

「自分の身くらい自分で守れる!」

「魔術も碌に使えない落ちこぼれが何を言いますかこの馬鹿!」

「んだと??馬鹿って言う方が馬鹿なんだぞこの馬鹿!」

「子供ですか貴方は!ああもう鬱陶しい!『原作』にもこんな会話ありませんでしたっけ……??」

「はぁ??何訳分かんねぇ事言ってんだ!」

「あっはっはっ!仲が良いな御両人。羨ましい限り」

『誰が!』

セイバーの一言に耐えられず、アーチャーとハモりつつ突っ込む。
セイバーは再び豪快に笑うと、剣を鞘に納め、再び笑って口を開いた。

「ふむ、些か時を急いたか。まあいい、場を見定めるとしよう。見れば召喚して間も無かった様だ。準備も出来ていない相手と対面するなぞ、騎士道に反するモノであった」

セイバーは背を向け、その肉体を霊体へと変えて行く。と、その直前に、セイバーはふと思い付いた様に一言、アーチャーに言い放った。

「──アーチャー。マスターの援護無しに、更にマスターを守りつつ聖杯を手に入れる等、驕るのは良いだろう。だが、そのマスターがお前に護られるだけの存在に収まるか──しっかりと見定めろ」

「────。」

「──え?」

思わず声が出ていた。
セイバーが消える寸前、その双眸が自らの瞳を射抜いたのは理解した。
その瞬間、功の中の『ナニカ』が弾けた。

──その時の感情は何だったろう。
期待を込められた事への嬉しさ?否、あれはもっと冷たかった。
思いもよらない言葉に対する驚き?否、あれはもっと本能的なモノから来る感情だった。

──恐怖。

古の大英雄の瞳には、視線だけで相手を殺しかねない程の殺気が込められていた。
火事場の馬鹿力は、死の危険を感じた時にこそ、その『制限』を解き放つ。
──無意識に、口にしていた。

「──Night(ルーツ)。『恐怖』。」

全力を以って、身を護る。
眼前で真っ白な閃光が弾け、全身の魔力回路を溢れんばかりの膨大な魔力が行き来する。


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