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ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第196話 其々の告白
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…彼女を救える』

 それは、間違いではなかった。


 ただ……、あの中に入っていくのは、ちょっと勇気がいる、と言うか入ってけない。


「……ぅぅん。どうしよっかなぁ……」

 死銃(デスガン)のこともあり、そしてシノンのこれからの行動に関してもある。……話す事は山程あるから。でも、今、このタイミング、絶対に入ってけない。
 自分は、そこまでの強者ではないのだから。

「……まぁ、兎も角タイミング見てからだな、……考えよう」

 出歯亀するつもりも無いし……、でもタイミングを伺わないと入ってけないから、仕様がない。として、とりあえず座って待つ事にした。……悪い事、してる。と思ってしまっているのだろうか、キリトは膝を抱えて。






 どのくらい、そのままでいただろうか――。





 手の温もりだけだった筈なのに、今度は身体全体を包んでくれている。……安心する事が出来る。こんな気持ちは、本当に久しぶり……いや もう殆ど記憶に無い。かつて、幼い頃 母親や父親に抱かれている温もりが、きっと これと同じなのだろう。

 温もりは、自身の涙を止めた。……そして、それと同時に虚脱感も生まれた為、身体の力を抜いていた。リュウキも、ゆっくりとした動きで、岩肌に背を預け、座った。シノンも同時に。

「……少し、もう少し、寄りかからせて」

 少しの沈黙の後、シノンはそう言った。

「ああ。……構わない」

 リュウキは、そう答える。シノンは答えを聞くのとほぼ同時に、身体をずらし、リュウキの脚の上に横たえた。

「……そろそろ、キリトも戻ってきたらどうだ?」

 リュウキは、軽くため息をしながら、そう言う。

「っ……」

 リュウキの言葉に、キリトはびくっと身体を震わせたから、そのせいでか、音を立ててしまった様だ。


――……完全に、バレてた。


 リュウキの索敵スキルは、元々一線を超えていた事を改めて思い出していた。そう、『デジタル世界は、自分の土俵(ホーム)』と言ってのけるあの男なのだから。
 キリトは、諦めた様子で、ゆっくりと顔を出した。

「な、なかなか来なかったし、ちょっと、心配になって、な……」

 苦笑いをしながらも、そう弁明する。別に盗み見、盗み聞きをするつもりも無かったのは事実だけど、実際にそうしてしまったのは違いない。

「………」

 そんな中、シノンは、無言だった。

 ……キリトにとってその無言が余計なプレッシャーになる。シノンは元々、キリトが離れている事に気づいていなかった。……キリトの前で

「あんたと、あいつは……同じ」
「ああ。……キリトとオレは同じだ」

 同じ闇を持ってて、そして、死銃
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