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ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第196話 其々の告白
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死ぬ前にあの温もりをもう一度、もう一度貰いたかったすら思ったのに。その彼が前にいるのに、自分の心は冷めて、冷え切り……、もう生気すらなくなっているかの様だった。もう、自分の過去の闇が……自分自身を覆っているのだろう。……温もりを求める心をも、黒く塗りつぶしてしまっているのだろう。
シノンはそう思うと、何処か吹っ切れた様にも思えた。
そう思う気持ちすら、ダメな事なんだ。自分は罪深い女だから、と。
「……シノン。戦うつもりなんか、無いだろ」
「っ……、そんなわけ…っ!」
リュウキの言葉に、言い返したシノンだったけれど、はっきりと言い返せなかった。多分、自分の中で、はっきりと決まっていたのだろう。
「1人で、死ぬ、と言うつもりなのか?」
はっきりと決まっていた自分の道。それを先にリュウキが口に出していた。
「………」
シノンは、その言葉を否定しなかった。ゆっくりと、頷く。
「……そう、たぶん、それが私の運命だったんだ……」
重い罪を犯したのに、如何なる裁きも詩乃は受けなかった。だから、あの男が帰って来た。然るべき罰を与える為に、死銃は亡霊ではなく――因果。決定された結末。
「だから、もう離して。行かないと、いけないから。……もう」
――……温もりも、もう要らない 必要、ない。
振りほどこうとシノンは、力を入れた。もう、これが最後だと。覚悟を決めて。だけど、……幾ら力を入れても、振りほどけない。更に、力を入れるけど、どうしても、離れられない。温もりを、忘れたいのに……もう、忘れたいのに、それなのに離れない。
「止めてくれ。……頼む。オレは、二度と……失いたく、無い」
ぎゅっと、更に力を入れるリュウキ。
「間違ってるんだ。それは、人が1人で死ぬ。そんな事は有り得ないんだ。……死ぬ時、他の誰かの中にいるシノンも、死ぬ。……これまでの人生の中で、関わってきた人たちの中にいるシノンも。……オレやキリトの中にいるシノンも、死ぬ! ……そんな事、止めてくれ。頼む」
「そんなこと、そんなこと! 頼んだわけじゃないっ! ……私は、わたしを誰かにあずけたことなんかない!」
「もう、オレたちは関わりあっている! 共に過ごし、戦い。互いの刃、いや銃をを交えてもいる! もう、オレは、オレの中にもシノンが確実にいる。……オレだけじゃない。アイツだって……っ!」
リュウキの言葉も徐々に変わり、感情の波が押し寄せてくる様だ。掴んでいた手に力を入れ、引き寄せると、シノンの顔を正面から見た。
今、判った気がする。
シノンは、リュウキの眼を、その赤く光る眼を見た。そう、心の中まで見てくる様な、自分自身を心からみてくれている様な感覚が走った。それは、温もり
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